(左から)永山瑛太、蒼井優、イッセー尾形、渡辺えり ©2026 映画「無用の人」製作委員会

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 2027年1月に公開される原田マハの監督デビュー作『無用の人』に蒼井優、永山瑛太、渡辺えり、イッセー尾形が出演することが決定した。

参考:ベストセラー作家・原田マハ、自著 『無用の人』映画化で監督デビュー 「ご期待ください」

 本作は、2006年のデビュー以来、『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』など、幅広いアートの知識とキュレーターの経験を活かした作品をはじめ、多くのベストセラーを世に送り出してきた原田が、2014年に刊行の短編集『あなたは、誰かの大切な人』(講談社文庫)に収録された一編『無用の人』を原作に、自らオリジナル脚本を執筆し、監督を務め映画化する人間ドラマ。原田は本作が映画監督デビュー作となる。

 主人公・聡美が監視員として勤める美術館に届いた謎の“鍵”をきっかけに、ひと月前に孤独死した父との記憶をたどり、家族でさえ知らなかった父の晩年の姿が次第に明かされていく。なんの取り柄もなく、家族からも社会からも見捨てられ、ひとり静かに死んでいった父が“愛したもの”とは、一体何だったのか。

 主人公・聡美を演じるのは、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』などの蒼井。本作で監督初挑戦となった原田との現場を振り返り、蒼井は「穏やかに現場を見つめていらした原田監督の眼差しから、私は多くのことを学ばせていただいたように思います」と語った。

 アートと茶の湯を愛しながらも、静かにこの世を去った聡美の父・唯一を演じるのは、数々の作品へ出演する傍ら、50年以上に渡り上演されている一人芝居で日々新たな表現を生み出し続けているイッセー。茶の湯に造詣の深い唯一を演じるにあたりイッセーは、茶人・千宗屋からの指導を受けたことに触れ「魅力的な人たちに出会えて、無用どころか、僕にとってはありがたい作品です!」と新しい学びを得た喜びを明かした。

 “好き”を生業にした聡美を温かく見守る母親・柊子を演じるのは、さまざまな映画やドラマ、舞台で活躍する渡辺。渡辺は本作と俳優という仕事を重ね合わせ「まさに私たちは無用の人たちなんです」と語りつつ、それこそが必要不可欠な“愛”だと熱い想いを寄せた。

 そして映画オリジナルの登場人物である、唯一が通っていた古道具屋の店主・タクを永山が演じ、どこか距離のあった父と娘の思いを橋渡しする役どころを担う。永山は「原田マハさんのエネルギーによって、人間はどこに向かえば良いのか少しだけ分かった気がしました」と撮影を振り返った。

コメント 蒼井優(羽島聡美役)私がこれまで目にしたことのない景色を数多く見てこられた原田マハさんが、どのような映画を、どのように作られるのかとても興味を抱いていました。穏やかに現場を見つめていらした原田監督の眼差しから、私は多くのことを学ばせていただいたように思います。「無用の人」という言葉に、胸がほんの少しきゅっとなる方に、ぜひご覧いただきたい作品です。

 イッセー尾形(羽島唯一役)最初に台本をいただいた時は「お茶!」と唸ったものです。まるで縁もゆかりもない世界ですから。役の人物造形どころじゃない。まず「お茶!」です。稽古が始まると千宗屋さんがそれこそ惜しみない手ほどきで導いてくれます。その先に役の人物唯一も掴めるだろうと祈りもしました。いってみれば、お茶にもぐっておりましたから、恥ずかしながら、試写を見た時に蒼井優さんや渡辺えりさんや瑛太さんたちと一緒に作り上げた映画だな、と改めて実感したわけです。魅力的な人たちに出会えて、無用どころか、僕にとってはありがたい作品です!

永山瑛太(タク役)家族、人とのご縁、アート、伝統工芸品、お茶の世界。原田マハさんはどこまでも深く一つ一つを愛でるよう私に言葉で伝えてくれました。この作品を通じて血の繋がり、伝統を受け継ぐ事、普段の生活の中で見え隠れしていた答えが原田マハさんのエネルギーによって人間はどこに向かえば良いのか少しだけ分かった気がしました。この映画が皆様にどんな形で届くのか、とても楽しみにしています。

 渡辺えり(柊子役)私たちの仕事はお客様に目に見えないものの大切さを伝え、限りある人生の中で「永遠の美」にあこがれて追いかける作業にまさに命を懸ける仕事だと思います。この映画の登場人物はみんな不器用です。そしてそれぞれが目に見えない「愛」のようなもの。すぐには役には立たず捨てられてしまうような形にならないものを追いかけている。「無用の人」まさに私たちは無用の人たちなんです。でもそれが戦争のない世の中を作る原動力だと思っています。(文=リアルサウンド編集部)