頼れる守護神が森保ジャパンに帰ってきた。日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)は昨年11月に負った左手骨折の重傷を経て、5か月ぶりの代表復帰。長いリハビリ期間は「常にW杯という目標を持ちながら、その先というところを見ながらできた」といい、北中米W杯を3か月後に控えたイギリス遠征に満を持して合流した。

 日本代表の正GKを務める鈴木は昨年11月、セリエAのミラン戦での接触プレーで左手中指と舟状骨を骨折し、直後に予定されていた日本代表活動への参加を辞退。個人にとってもチームにとっても痛い負傷となった。ただ、その中でも「すぐに次に向かえた」と鈴木。約4か月にわたる戦線離脱期間も左手の治療を続けつつ、「手術して3日後からガンガン動き出していた」と患部に影響のない範囲のトレーニングに取り組んできた。

 その間は脳や目を活性化させるトレーニングや、ピッチ内ではキックの練習に尽力。時にはGKの能力を維持すべく、右手のみでのハンドリング練習も行っていたという。この日、報道陣からは左右のバランスを心配する質問も出たが、「そう考えたこともあったけど、最悪右手で取れればいいかなと(笑)」と“規格外”の返答。もちろん左手のリハビリにも入念に取り組んでおり、握力は8kgほどにまで落ちていたところから50kg近くにまで回復したと話す。

 長いリハビリ生活を経て、3月13日のトリノ戦で4か月ぶりの復帰。続く前節のクレモネーゼ戦にも出場し、2試合をこなしてきた。現時点でも「まだ完治はしていない。まだ痛みと付き合いながらやらなきゃいけないところはある」といい、感覚面でも「手というよりはキーパーとしての感覚的な部分での違いを感じた」との改善要素はあるものの「1試合目より2試合目はより感覚も良くなってきている感じもあるし、練習の中でも感覚は良くなっている」と徐々に手応えを重ねているようだ。

 そうして迎えた5か月ぶりの日本代表活動。「まだ復帰していいパフォーマンスを結果含めて出せていないので、これからのパフォーマンスでリハビリ期間にやってきたことは間違っていなかったというところを証明できればと思う」。W杯への不安を払拭させることはもちろん、完全復活を印象付けるための格好のチャンスとなる。

(取材・文 竹内達也)