「肩を震わせ号泣」の一方で「トランプ大統領ありがとう」 “イラン最高指導者の死”に在日イラン人の間で真逆の反応が
続くアメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃。中東全域に戦火が拡大する中、遠く離れた日本・東京でも……。
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【写真を見る】肩を震わせ、嗚咽、号泣… 悲しみに暮れる「在日イラン人男性」の姿
嗚咽しながら祈りを
港区のイランイスラム共和国大使館。3月5日から2日間、アメリカとイスラエルの攻撃により死亡した最高指導者・ハメネイ師の弔問記帳を受け付けていたが、週が明けた9日にもまだ弔問に訪れる人々がいた。
大使館職員が招き入れたのは、花束を抱えた在日イラン人の男性。打ちひしがれた表情で記帳台の椅子に座ると、嗚咽(おえつ)しながら祈りを捧げる。その肩が震え出したかと思うと、館内に静かに流れていたイスラム音楽がかき消されるほどの慟哭(どうこく)が響き渡った。そして、涙を流しながら立ち上がると、記帳台の横に掲げられたイラン高官たちの遺影に向けて敬礼し、駆け出すように退出していった。

記帳簿には、ペルシャ語や英語、日本語のお悔やみの言葉が何ページにもわたってズラリと並ぶ。その脇に置かれているのは、爆撃を受けて亡くなった女子小学生たちの写真を載せた地元紙。そこには「トランプよ、その目で彼女らを見ろ」と強い口調で批判するメッセージが書かれていた。
「トランプ大統領、ありがとう」
その一方、前日の8日には、アメリカ大使館近くに100人を優に超える“攻撃支持”の在日イラン人が集まっていた。彼らは母国の民族音楽を歌いながら、「トランプ大統領、ありがとう。これがイラン国民の声だ!」と叫び、独裁者が殺害されたことを喜ぶのであった。
約4000人いるとされる在日イラン人の中で、現体制に批判的な人々が結成した「母国の自由を求める在日イラン人団体」の面々である。
悲憤と歓喜、イランはどちらに向かうのか。
撮影・福田正紀
「週刊新潮」2026年3月19日号 掲載
