STU48石田千穂×中村舞×高雄さやか、エースの卒業...新センター、新曲が描く“もどかしい恋心”の行方に迫る

STU48
瀬戸内を拠点に活動するSTU48が3月4日、13thシングル「好きすぎて泣く」をリリース。今作でセンターに指名されたのは、シングル単独初センターを務める中村舞だ。そして、2017年の結成以来、不動のエースとして君臨し続けた石田千穂が、5月31日に卒業コンサートを開催する。彼女にとって本作がラストシングルとなる。カップリングにはソロ曲「未来へ続く者よ」が収録される。インタビューでは石田千穂、中村舞、高雄さやかの3人が、新曲「好きすぎて泣く」に込めた、もどかしくも熱い恋心を紐解く。インタビュー後半では、卒業を目前に控えた石田に、現在の心境と未来を託す後輩たちへの想いを聞いた。(取材・撮影=村上順一)
「謝罪会見だと思った」
――3月4日に13thシングル「好きすぎて泣く」が発売されます。今回、中村さんはシングルでは初の単独センターですね。決定した時の心境はいかがでしたか。中村舞
アルバムのリード曲やトライアングルセンターの経験はありましたが、シングルの単独センターは初めてです。正直、自分が選ばれるとは想像していなかったので、お話をいただいた時は「あ、このタイミングで任せてもらえるんだ」という驚きと、純粋な嬉しさが混ざったような感覚でした。早くこの喜びをファンの皆さんに伝えたい!と思いながら過ごしていました。
――石田さんは、中村さんのセンター就任を聞いてどう思われましたか。石田千穂
発表された日の夜、すぐに「おめ!」と連絡を送りました。舞ちゃんが真ん中にいると、グループの華やかさがより引き立つので、本当に嬉しかったです。中村舞
「おめ」をいただきました(笑)。
――前作でセンターを務めた高雄さんも、当時は石田さんから「おめ!」を?高雄さやか
はい。私は直接「おめ!」と言ってもらいました。
――中村さん、センター就任を告げられた時はどのような状況だったのでしょうか。中村舞
実はセンターを告げられた日の前日、仕事に寝坊してしまって……。翌日、告知動画を撮影するということで事務所に呼ばれたのですが、白い背景と椅子だけが用意されたセットを見て、告知動画を撮るような雰囲気ではなかったんです。あ、これは昨日の遅刻の件で謝罪会見をさせられるんだ……って。なので、動画で最初は「この度は申し訳ありません」と謝ってしまいました(笑)。石田千穂
その動画、見てみたい(笑)。
――謝罪会見ではなく、センター発表だったわけですね(笑)。今回の楽曲「好きすぎて泣く」の印象はいかがですか。高雄さやか
とても耳に残る曲で、さまざまなジャンルの音楽が融合した一曲だと感じています。アップテンポで疾走感がある一方でメロディは切なく、多様な楽しみ方ができて、一度聴いたら頭から離れなくなる曲です。今までの楽曲にはなかった<後出しジャンケン>という言葉が出てくるのも新鮮でした。また、一番のお気に入りは<君をもっと好きになる>という歌詞です。後悔を抱えつつも、最終的にはやはり好きになってしまう……という展開がいいなと思いました。石田千穂
私は歌詞を読んで、「もっと勇気を持って行動しなよ!」と主人公の背中を押したくなりました(笑)。でも、初恋ならではのもどかしさというか、この経験を糧に次は良い恋愛ができそうな、そんな予感もさせてくれます。中村舞
この曲は私の中で、「失恋」というよりは「言えなかった後悔」の曲だと捉えています。<きっかけがあれば>や<今さらでいいなら>といった、まだチャンスがあるのではないかと期待してしまう描写があり、それがまたすごく切なくて。主人公の想いに寄り添いながらレコーディングに臨みました。
――本作は、どのようなシチュエーションで聴いてもらいたいですか。石田千穂
愛が強めの曲なので、推しへの愛を再確認しながら聴いてほしいです。ただ、その愛をこじらせすぎないように気をつけてください(笑)。高雄さやか
この曲の主人公のようにならないでほしい、と思います(笑)。アイドルとファンの関係であれば、ここまでのすれ違いは少ないと思うんです。「気持ちを伝えれば、それに応えてくれるのがアイドル」だと私は信じているので、この曲を教訓にして「想いはちゃんと伝えること」を大切にしてもらえたら。そうすれば、きっとうまくいくよ、というメッセージが伝われば嬉しいです。中村舞
歌詞はもどかしく切ない雰囲気ですが、ライブで盛り上がれるアップテンポな曲調なので、ぜひノリノリで聴いてほしいです。コールもしやすいと思います。歌詞をじっくり味わっていただくのはもちろん、音楽としても純粋に楽しんでもらえたら嬉しいです。
――MVの撮影はいかがでしたか?中村舞
今作のMVは冬の海での撮影がとても過酷でした。STU48は海のイメージがあると思うのですが、最近MVではあまり海での撮影はなかった気がしていて。潮が引いた時間に撮影したんですけど、足場が悪くて、ダンスを揃えるのも大変でした。
――注目シーンは?高雄さやか
朝日に照らされるメンバーです。芸術的な美しさがありました。推しメンのいろんな魅力が発見できそうなMVに仕上がっているので、たくさん観ていただきたいです。
メンバーとあえて距離を置く時期があった
――歌詞の<距離を作ってた>というフレーズにちなんで、あえて距離を置いている、あるいは置いていたものはありますか。高雄さやか
「麻辣湯(マーラータン)」と「汁なし担々麺」と距離を置いています。メンバーの内海里音ちゃんも同じくハマっていて。2週間毎日交互に食べていたので、今はあえて距離を置いています(笑)。石田千穂
私は実家で飼っているインコの「ピーちゃん」です。私がたまにしか帰省しないせいか、ピーちゃんからは「後から来た新参者」あるいは「自分より格下」だと思われているみたいで。それが悔しくて距離を置いています。ピーちゃんも私に関わろうとしてこないので、なかなか歩み寄れていないのですが、いつか仲良くなりたいです。中村舞
私は以前、卒業した沖侑果ちゃんとは、仲が良すぎるがゆえにあえて距離を置く時期がありました。石田千穂
結構長い期間、距離を置いていたこともあったよね?中村舞
うん。同期なので、ライバルとしての意識も強かったんです。お互いへの関心が強すぎて、近すぎると逆に関係がうまくいかない時期がありました。あえて喋らない期間を作っていたので、他のメンバーから「今は(仲が良い時期と悪い時期の)どっちなの?」と聞かれることもありました(笑)。
STU48は私の人生のすべてでした
――さて、石田さんは5月31日に卒業コンサートを控えています。STU48での約9年間を振り返っていかがですか。石田千穂
私の人生のすべてでした。将来人生を振り返った時、真っ先に思い出すのはこの9年間だろうなと思います。初期の頃からフロントに立たせていただき、やり残したことはないと言い切れるくらい、自分にできることはすべてやり切ったと感じています。
――その活動の中で、甲斐心愛さんのSTU48への復帰も発表されました。石田千穂
心愛は当分帰ってこないと思っていたので、私の卒業を伝えたら「卒業ちょっと待って、私帰ってくるかも」と言われて。「もう卒業の日が決まっちゃったよ……」と(笑)。でも、心愛が戻ってくる時期と重なったので、少しの間ですがまた一緒に活動できるのは嬉しいです。私がいなくなった後もグループに心愛がいると思えば、安心して卒業できます。
――石田さんは、これまで卒業していったメンバーたちをどのような気持ちで見送ってきましたか。石田千穂
それぞれが悩み抜いて出した決断なので、最終的には「卒業おめでとう」「お疲れ様」という気持ちで送り出してきました。でも本音を言えば、やはり「もう少し一緒に活動したかった」という寂しさもありました。
――シングルに収録される石田さんのソロ曲「未来へ続く者よ」は、どのような楽曲になりましたか。石田千穂
歌詞が今の自分の心境とリンクしすぎていて驚きました。悩みながらも「頑張れ!」と背中を押すような曲になっているので、メンバーのみんなに向けて歌いたいと思いました。
――冒頭から心情が伝わってきます。石田千穂
まさに歌詞の一行目、<どう生きればいいか
わからない 手探りしながら
一人で歩く>が今の私の心境そのものです。具体的に卒業後の活動がすべて決まっているわけではないので……。後輩たちには、1番のサビの歌詞<未来へ続く者よ 今 イバラの森を走り抜けろ〜>という部分を強く伝えたいです。<立ち止まって
迷ってる時間 人生の針は待ってくれない 間違えたら
やり直せばいい 何度だって 戻れるんだよ>という歌詞も、アイドルを続けていると心に刺さる言葉ばかりで、歌えて本当に幸せです。なかなか結果が出ずに悩んでいる子も多いと思いますが、「絶対にどこかで誰かが見てくれているから、折れずにいてほしい」という想いを込めて歌いたいです。
――最後に、4月に行われる9周年コンサートと、5月の石田さんの卒業コンサートに向けてメッセージをお願いします。中村舞
9周年コンサートは、今までとは違う切り口の内容になる予定です。ファンの皆さんに「今のSTU48も最高だ」と思ってもらえるよう、勢いをつけていきたいです。石田千穂
卒業コンサートまで残り少ない期間ですが、大好きなSTU48とファンの皆さんに恩返しができるよう、全力で駆け抜けます。最後の日まで、よろしくお願いします!(おわり)
