実はハンバーガーは「完全食」に近い、控えるべきなのは…プロの現場で実践される「ファストフードとの“賢い”付き合い方」
──とっても良いことを聞いた気持ちになりました(笑)。ちなみに、ポテトは?
吉谷:ポテトは、ほとんどが「炭水化物と脂質」のかたまりです。たまの楽しみならいいんですけど、セットでLサイズを頻繁に食べると、どうしてもエネルギーオーバーになりやすい。なので、「ハンバーガーチェーンに行くな」ではなくて、「ハンバーガーチェーンに行くなら、ポテトを控えて、ハンバーガーだけにしよう」という代替え提案をします。
吉谷:シンプルに「ハンバーガー単品+飲み物」にする。飲み物は、できれば糖分の少ないお茶や水、無糖のコーヒーが理想です。どうしてもポテトが食べたい日は、キッズサイズをシェアするとかでもいいと思います。大事なのは、「全部禁止」にしてストレスをためるのではなくて、「どこをどう代替えするか」を一緒に考えることですね。
──スイーツについても、同じ考え方が使えそうですね。
吉谷:そうですね。「スイーツを一生やめましょう」は現実的ではないので、「毎日ではなく週に2〜3回にする」とか「夜ではなく、お昼から15時くらいにする」など、“頻度とタイミング”を変えるだけでも違います。ケーキをやめて和菓子にする、アイスをミニサイズにする、といった代替えも使えますね。
◆「意志」に頼らず仕組みで整える
──ベジファースト、朝たんぱく、コンビニの選び方、ファストフードの代替案。どれも、今日からできそうな工夫ばかりです。
吉谷:そう言ってもらえると嬉しいです。スポーツ栄養って、特別なサプリメントや難しいルールの話だと思われがちなんですけど、実は「一般の人がそのまま真似しても効果のある、シンプルな工夫」がほとんどなんです。
──読者の方にも健康や体型維持などで食事に悩みを持つ人が多いと思います。そんな方々に一言、メッセージをお願いできますか?
吉谷:「意志が弱いからできない」と自分を責めないでほしいな、と思います。私自身、アスリートに対しても、意志に頼らずに「どう代替えするか」「どういう仕組みにしたら続くか」を一緒に考えるようにしています。
今日から全部を変えなくても大丈夫です。まずは「最初に野菜を食べる」「朝にたんぱく質をひとつ足す」「ハンバーガーチェーンではポテトをやめてハンバーガーだけにする」といった、小さな一歩からでいい。そうした積み重ねが、結果的にはプロの現場でも通用するような、“プロ級の食べ方”につながっていきます。やっぱり、食事をする時は楽しく食べるのが、何より大切ですからね。
<取材・文/橋本未来 撮影/吉村竜也>
吉谷 佳代(よしたに・かよ)
パワーニュートリション代表。管理栄養士、公認スポーツ栄養士。
2001年徳島大学医学部栄養学科 卒業後、食品メーカーの研究員として健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球阪神タイガース、実業団女子バレーボール大阪マーヴェラスのチーム専属栄養士。
【橋本未来】
主に関西圏で広告関係やマガジン系の仕事をしながら、映像の企画・構成なども手掛ける。芸人さんやちょっと変わった経営者さんなどの話を聞くのがライフワーク Twitter:@h_mirai1987
