「ほぼドラッグ」在日中国人留学生の間で出回る“木の実”の正体とは?密売人に接触して見えた実態
「日本・ビンロウ・正規品・小売や卸売・長期購入の場合割引あり」
「大阪心斎橋でビンロウ受け渡し 一袋2000円」
「びっくり!11kg17元の配送費で日本全国に郵送」
そんなコピーが並ぶなか、コメント欄には「まだ在庫はありますか?」「受け取り場所はどこ?」など在日中国人からの書き込みが並び、年末年始や春節(旧正月)前ということもあり商いは活発な様子だった。
◆手渡しで乾燥ビンロウを購入してみたら……
両方を希望すると、指定されたのは東京・池袋駅前にある池袋西口公園だった。
当日現れたのは、20代と見られる中国人カップル。男性はドレッド風の髪に黒パーカー、女性はスウェットにキャップ姿。一見すると日本人の美大生や専門学生のようで、外国人には見えない。
軽く中国語で挨拶すると、男性はリュックからビンロウを取り出した。中には教科書や筆記用具のようなものが見え、男性は留学生だと推測される。小遣い稼ぎでの一環なのだろう。現金を手渡すと、男性は笑顔で「ありがとう! また欲しいときはいつでも連絡してくだいね!」と言い、連れの女性と手を繋いでその場を去っていった。
◆強烈な苦みの後に軽い酩酊感を感じた
持ち帰り、さっそく2つの袋を開封してみた。どちらも30〜35粒ほど入っており、コーラのような匂いが漂う。枸杞ビンロウは、表面は甘くコーティングされて比較的食べやすい。30秒ほど噛んでいると清涼感を感じ、口の中がスースーしてきた。ミントガムの味と非常に似ている。甘みが強いので食べやすい。2粒続けて食べてみたが、覚醒作用を感じることはできなかった。
一方の和成天下は違った。甘みと清涼感の後、強い苦味と舌への刺激が残り、吐き出した後も喉につかえ感が続く。
3粒続けて食べたところ酩酊する感覚が襲う。こころなしか、頭がふんわりした感覚もあった。確かに酒といっしょに嗜むと、より高い効果が得られるのかもしれない。製造元を見ると、どちらも「湖南省」とあった。これには理由があると前出の広瀬氏が説明する。
「現在、中国では依存性と発がん性を理由にビンロウを食品として製造・販売は原則禁止されています。ただ、湖南省だけは歴史的に嗜好品として広く利用されていた経緯から、例外的に認められています。同地で製造された加工乾燥品が密かに日本に持ち込まれているのでしょう」
新たな脱法ハーブともいうべきビンロウだが、日本では現時点で所持も使用も違法ではない。だが、中国では健康被害が強いため、「檳榔加煙又加酒、閻王在向你招手(ビンロウにタバコと酒を加えれば、閻魔大王が手招きしてくる)」というスラングもあるというほど。安易に手を出さないほうが身のためだ。
取材・文・撮影/SPA! ビンロウ取材班
―[中国発[ハイになる木の実]が蔓延中]―
