鹿児島読売テレビ

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 九州地区で長年にわたり貨物輸送を支え、かつては旅客輸送も担っていた赤い車体の交流用電気機関車 『ED76』。

 そのED76の台車検査が、2024年12月、JR貨物の小倉車両所で実施されました。2025年3月のダイヤ改正で運用離脱が迫るED76にとって、これが最後の台車検査となります。

 台車検査を受けたのは、国鉄時代の1979年に製造された1018号機。これまで約474万キロを走行してきました。台車検査は36か月以内に実施が義務付けられた法定検査で、台車やモーターなど走行に不可欠な足回りを車体部分から分離して検査します。

(JR貨物小倉車両所・髙山 史也 検修課長)
「(台車検査は)走行装置にあたる部分なので、非常にシビアな検査をおこなっている」

 検査では、モーターから車輪に動力を伝える歯車にカバーを取り付け、ブレーキやホース類、台車のばねも取り付けていきます。

 また、ED76の特徴でもあるモーターを持たない中間台車も、別な場所で綺麗に整備され、他の台車がある場所まで移動します。そして、車体に組み付ける位置に置きます。

 台車に外していた部品を取り付けていきます。一旦、組みあがった台車にはエアーを流し、ブレーキ周りのエアー漏れがないかを部品に石鹸水をつけて確認していきます。エアー漏れが見つかりました。部品を分解して、接触面を清掃してから再度、部品を組み直します。

(JR貨物小倉車両所・髙山 史也 検修課長)
「先ほど、エアーの通気テストを行いまして、エアー漏れが確認されたので、再度分解して整備を行っている。なぜそのような作業をするかというと、ブレーキ装置で、非常に重要な箇所になるので、念入りに点検を行っている」

 そのほかの台車の部品がきちんと取り付けられているか・・・。ひとつ、ひとつチェックします。

(検修担当)
「ボルトの回り止めを施したというマークを書いている」

翌日には台車部分と車体部分を合体します。

 クレーンで車体部分を吊り上げます。台車部分を置いている場所まで移動します。そして、車体部分を下ろし微調整しながら台車部分と合体します。ホースやケーブルを接続し、台車と車体の合体作業も大詰めです。無事に台車と車体の合体作業を終えたED76 1018号機は実際に電気を通して検査するため架線がある機関車整備室まで入れ替え機に牽引され移動します。

 ED76を起動する前に、砂まき管を熱して規定の位置になるように最後の調整をします。部品が既定の範囲内に取り付けられているか、レールからの距離をひとつひとつ確認していきます。

 内部の機器もひとつひとつチェックしていきます。重要な安全装置、ATS自動列車停止装置がきちんと働くか念入りに検査します。

そして通電・・・。起動。

ED76が眠りから目覚めました。

(JR貨物小倉車両所・髙山 史也 検修課長)
「私が入社した時から走っている機関車(ED76)の最後の台車検査なので、最後まで不具合なく走ってほしい。国鉄時代から今に至るまで非常に長い間、貨物列車を牽引して頂きありがとうございました。お疲れさまでした」

 ED76 1018号機は、定期運用終了の日まで貨物列車を牽引する役目を果たしました。そして2025年3月のダイヤ改正で九州のED76はすべて定期運用を終了し、長年の活躍を終えました。