乙女ゲームで朝6時に号泣、『VALORANT』でキーマウに奔走……CANDY TUNE・宮野静が語る“濃密なゲーム愛”
ゲーム好きの著名人・文化人にインタビューし、ゲーム遍歴や、ゲームから受けた影響などを聞く連載“あの人のゲームヒストリー”。今回話を聞いたのは、TikTokを中心としたSNSで注目を集めている楽曲「倍倍FIGHT!」が話題の7人組アイドルグループ「CANDY TUNE」のメンバー・宮野静だ。
ライブや各種メディアで歌唱活動に励むだけでなく、「CANDY TUNE」公式YouTubeなどでゲーム配信にもチャレンジしている宮野。自身の趣味として公言するほどゲームに親しんでおり、ここ数年でゲーミングPCデビューも果たしている。
シューティングゲームや恋愛ゲームにハマり、宮野は「人生の幅が広がった」と話す。ゲームに熱中した経緯や仕事への影響など、濃密なゲーム愛を語ってもらった。(龍田優貴)
・切なさのあまり早朝に号泣ーー乙女ゲームで独占欲を刺激される
ーーまずは「宮野さんが人生で初めて遊んだゲーム」について教えてください。
宮野静(以下、宮野):私の兄はめちゃくちゃゲームが好きなんです。それで「しーちゃん(宮野の愛称)もやってみなよ」と言われてプレイしたのが、確かPlayStation2用ソフトの『ラチェット&クランク』だったと思います。あのころは小学生ぐらいだったし、コントローラーを触ったのも初めてで。お兄ちゃんに「これどうやってやるの?」って言いながら遊んでました。
ーー最初はお兄さんの影響でゲームの世界を知ったのですね。
宮野:そうなんです。あと兄は「バイオハザード」シリーズも遊んでた記憶があるんですけど、私とは好きなジャンルが少し違うというか。私はFPSが好きで、兄はFPSをまったくやらないんですよ。それでも恋愛ゲームはお互いに好きっていう共通点がありますね。
アニメの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(KADOKAWA)を兄と一緒に見ていた時に、ちょうどギャルゲー(美少女ゲーム)の話になったんです。そこで「私もやってみたい!」って気になったのが、恋愛ゲームを知った最初のきっかけでした。
ーー『俺妹』をリアル兄妹で観る……まさしくアニメのような出来事ですね(笑)。実際に恋愛ゲームはプレイされたのでしょうか。
宮野:もちろんです! 初めて自分で「欲しい!」と思って買った作品も、実は乙女ゲーム(女性向け恋愛ゲーム)の『CharadeManiacs(シャレードマニアクス)』なんですよ。その作品に登場する「陀宰メイ」くんが本当に印象深くて。儚い雰囲気が漂ってるキャラなんですけど、シナリオが切なくて朝6時に号泣しながらエンディングを見ました(笑)。
ーー先が気になって止まらなくなるほど、乙女ゲームに熱中されていたのですね。そう言えば宮野さんはSNSでも、乙女ゲームについて言及していましたよね。
宮野:『シャレードマニアクス』も含めて、「オトメイト」(ゲームブランド)さんの作品が個人的に大好きなんです。少し前にも『君は雪間に希う(きみはゆきまにこいねがう)』という乙女ゲームをプレイしました。全体的に雰囲気が儚くて私好みと言うか、いろんな武士の方々と楽しく恋愛させていただきました。
ほかにも遊べてないけど気になってる作品だらけなので、いまはゲームのPVを見ながら「次はどれをプレイしようかな?」って悩みまくってます。本当は『薄桜鬼』も遊びたいけれど、一度手をつけると止め時が無くなりそうで……。たぶん、お仕事にNintendo Switchを持っていって、休憩中はずっとプレイしてると思います。
ーー『薄桜鬼』はオトメイトの代表的なシリーズですね。もう少し、宮野さんが好きなキャラクター像について教えていただいてもよろしいでしょうか。
宮野:私、結構ツンデレっぽいキャラが好きなんです。最初は冷たいけれど、仲良くなったら私のためだけに優しくしてくれる……みたいな。
それこそ和風乙女ゲームだと、『イケメン幕末 運命の恋』に出てくる「徳川慶喜さん」がすごくタイプで。知り合ったころは冷めてるのに、心を開いたらデレてくれるんですよ。一種の独占欲と言うか、自分の推しキャラが私にだけ視線を向けてくれるのがめっちゃ嬉しくて。
それに、ものすごい深い台詞をいっぱい言ってくれるんです。でも慶喜さんはいろいろ抱えてそうだったので、ゲームのなかで抱きしめました(笑)。
ーー「CANDY TUNE」のメンバーにご自身の好きな作品を布教されたりしますか?
宮野:同じメンバーの南なつ(※1)は「ギャルゲーで遊んだことがある」と言ってましたね。なので私もどんどん周りに布教していきたいと思ってます。あとは同じ事務所の別グループだと、「CUTIE STREET」の桜庭遥花ちゃん(※2)の生誕祭で、『君は雪間に希う』をプレゼントしました。ぱるたん(桜庭遥花の愛称)も乙女ゲームが好きらしいので、どこかで乙女ゲー対談とかもしてみたいですね。
※1 アイドルグループ「CANDY TUNE」所属。メンバーカラーはオレンジ。※2 アイドルグループ「CUTIE STREET」所属。メンバーカラーはピンク。
・『VALORANT』からゲーミングPCの世界へーーキーマウ操作に奔走する日々
ーー宮野さんはFPS(一人称シューティングゲーム)が好きだと公言されていますが、初めてゲーミングPCを購入したタイミングはいつごろだったのでしょうか。
宮野:大体3年前ぐらいですね。その前に『Apex Legends』を遊んでましたけど、「にじさんじ」の叶(※3)さんが『VALORANT』をプレイしてるのを見て、「私も遊びたい!」と思ったのがきっかけです。
家には兄の影響で家庭用ゲーム機はいろいろあったんですけど、VALORANTがパソコンでしか遊べないなら、もう買うしかないと思って。まず最初にゲーミングチェアやゲーミングデスクを揃えて、お金を貯めてから自分でゲーミングPCを買いました。PCを買ってからは機材も調べて、いまはケーブルが引っかからないように無線のゲーミングマウスを使ってます。
ーーゲーミングPCをご自身で手に入れた際、ご家族はどのような反応でしたか?
宮野:最初はびっくりしてましたね。パパには「そんなに高いものを買ったのか!」って言われましたけど、次第にみんな慣れたんだと思います。それにママはすっかり慣れたみたいで、私が『VALORANT』で遊んでる時、「果物切ったから食べなさ~い」って持ってきてくれたりします(笑)。
ーー『VALORANT』は5対5でプレイするタクティカルシューターですが、初めて触ったときの印象について教えてください。
宮野:すでに『VALORANT』を遊んでいた友達と一緒にプレイしたんですけど、本当に難しくて心が折れました……。でも、ありがたいことにゲーム友達が多かったので、パーティーを組んで遊ぶうちに、だんだんコツが分かってきたと言うか。あと、私はコントローラーよりもマウスとキーボード操作の方が性に合ってるみたいで、友達からも「エイム(※4)が上手だね」と言ってもらえました。
ーーキーボード&マウス操作が得意というのは、FPSを遊ぶのにもってこいの才能ですね。ちなみに感覚派や行動派など、ご自身はゲームをプレイする際どのようなタイプでしょうか。
宮野:勉強がすごく苦手なので、ゲームは「感覚でひたすら覚えるタイプ」ですね。ただまったく何も見ないわけではなく、一時期はプロゲーマーの方が投稿しているYouTube動画をチェックして、「今度はこんな風にやってみよう」って『VALORANT』に向き合ってました。
1番遊んでたころは、夜帰ってから朝方まで遊んでましたけど、いまはお仕事とのバランスを考えて控えるようにしてます。きっと遊びだしたら止まらなくなっちゃうので(笑)。
※3 バーチャルライバーグループ「にじさんじ」所属のVTuber。※4 FPSにおいて、銃器を構えて照準を合わせる行為のこと。
・公私にわたってアイドル人生を支えたゲームーーチャレンジ精神で目標に挑みたい
ーー宮野さんは、2025年に入ってからさまざまな媒体でゲーム関連のお仕事をされているように見受けられます。最初はどのような経緯だったのでしょうか?
宮野:「CANDY TUNE」の公式YouTubeでゲーム配信をやってみたのが最初だと思います。その後「OPENREC」(動画配信プラットフォーム)のスタッフさんとお会いした時に、「私、ゲームやります! 何でも遊ばせてください!」って自分からアピールしました。
ーー番組などでゲームをプレイする際、プライベートで遊ぶ場合との違いはありましたか?
宮野:やっぱり、普段遊ばないゲームをさせていただけるのがありがたいですね。幅が広がるというか。いつもはVTuberさんの配信で「こんなゲーム出たんだ」って知る機会が多くて。だから自分がプレイしたことの無い作品の魅力を、番組を通して知ることができて嬉しいです。
ーーOPENRECでの配信では、インディーゲームの『8番出口』をプレイされていましたね。実際に遊んでみていかがでしたか?
宮野:私、ホラーゲームがものすごく苦手なんですよ(笑)。みんな「『8番出口』はホラーゲームじゃない」って言うんですけど、私はそれでも怖かったです。たぶん30分ぐらいのあいだに3回ぐらい失敗してました。異変が起きたら戻らないといけないのは分かってるけれど、怖いから戻りたくないし、先に突き進んじゃって……。そんな感じで遊んでたので、結果めっちゃ怖かったです。
ーーファンの方々は宮野さんのリアクションも含めて楽しんでいたように思われます。SNSでは「配信で遊んで欲しいゲーム作品」についても募集されていましたね。
宮野:そうですね。自分で怖いと言っておいてあれですけど、ホラーゲーム自体はめっちゃ遊びたくて! 実は「チラズアート」(※5)さんの作品はひとりでプレイしたこともあるんですよね。
ーー苦手なジャンルだけれど、興味本位であえて遊んでみたと。
宮野:そうです。でも怖いから全然先に進めなくて。友達に電話をかけて、パソコンの画面を見せながら「いま何が起きてる?このまま前に進んでもいい?」って聞きながら遊んでました。
それと、マルチプレイで幽霊を特定する『Phasmophobia(ファズモフォビア)』も自分から遊びたいと言いつつ、ゲームが始まってすぐに「もう十分!」ってなりました。あのゲームはキャラクター同士が離れるとボイスチャットが聞こえなくなるから、ずっと友達にくっついて動いてましたね。
それぐらい苦手だから、番組でもホラーゲームをひとりでプレイするのは厳しいと思います。なので、「ホラー映画を1人で見に行けるCANDY TUNEの小川奈々子(※6)を呼んでください」ってスタッフさんにお願いしてます(笑)。
ーーホラーゲームに興味があると伺いましたが、複数人で遊ぶパーティーゲームについてはいかがでしょうか?
宮野:みんなで『VALORANT』をプレイしていた時は、ひと通り終わったあとに『パーティーアニマルズ』で遊んでました。身体がふにゃふにゃの動物同士で戦うゲームなんですけど、盛り上がり過ぎて笑いが止まらなくなるんですよ(笑)。一時期はそのゲームが気になり過ぎて、友達と遊ぶたびに「『パーティーアニマルズ』しようよ!」って声をかけてましたね。
ーーここまでお話を伺っていると、プライベートだけでなくさまざまな面でゲームの存在が大きいように見受けられました。では最後に、芸能活動を続けていくうえでの目標等について教えていただけますか?
宮野:芸能界に入ってから目標にしていることがあって。アニソン歌手にずっと憧れがあるんです。なので、いつかはアニメに携わる仕事がしてみたいし、作品の一部になれることがいまの夢ですね。もちろんYouTube動画やOPENRECの番組も含め、ゲームのお仕事もどんどんやっていきたいです。
ーー恋愛ゲームのオープニング曲を担当する……といった展開があれば話題の的になりそうです。
宮野:もしそうなったら嬉し過ぎます(笑)。実は小さいころ、演技の勉強をしていたこともあるんです。なのでいつか機会があれば、2次元キャラに声を吹き込む声優のお仕事にも興味があります。何事も挑戦と言うか、色んなことにチャレンジしてみたいって思ってます。
※5 ホラーゲームを自主的に開発・販売している国内インディーゲーム制作チーム。※6 アイドルグループ「CANDY TUNE」所属。メンバーカラーはミントグリーン。
(取材/文=龍田優貴)

