[6.10 W杯最終予選 日本 6-0 インドネシア パナスタ]

 第2次森保ジャパンで誰よりも多くの試合をベンチから見守り続けてきた日本代表GK大迫敬介(広島)がインドネシア戦で待望の北中米W杯最終予選デビューを果たし、攻守に安定のパフォーマンスで無失点フィニッシュに導いた。

 被シュート0本で守備機会は決して多くはなかったが、先制直後の前半18分にヒヤリとするピンチもあった。相手スローインを受けに中盤まで降りたFWオレ・ロメニーに対し、DF高井幸大が食いつくと、最終ラインへの背後への浮き球パスを出され、MFベッカム・プトラに裏を取られた場面だ。

 ところが大迫はスピードに乗って走ってきた相手に臆さず、ペナルティエリア外に素早く飛び出すと、大きく蹴り飛ばす右足ダイレクトキックでピンチを回避。さらにその後はこのプレーで感じた修正も施し、以降に訪れた同様のシーンはより安心感のある間合いで落ち着いた対応をしていた。

「1本目は出る出ないの判断が難しいボールだったけど、試合の中でポジショニングをうまく修正できたのが良かった」(大迫)

 この日はこうしたクリアボールだけでなく、味方のバックパスから相手のプレッシングを受けた際のキックも安定感抜群。長短のパスを有効に使ってマイボールにし続け、「トレーニングから味方との意思疎通もあったし、個人的にキックの感覚が調子がいいので、そういったものをうまく使い分けられた」と手応えを残した。

 第2次森保ジャパンでは23年9月の国際親善試合ドイツ戦(◯4-1)に出場するなど、一時はレギュラーを掴みかけていた大迫。それでもW杯2次予選の終盤戦以降はGK鈴木彩艶(パルマ)が台頭したことで、ここまで第2次体制チーム最多の17試合をベンチで見つめてきた。

 ただでさえ途中交代が少なく、準備の胆力が問われる控えGKという役割。「W杯まで1年しかないところでこうして巡ってきたチャンスだったけど、こうしたチャンスのためにずっと準備してきた。まずは結果を残してやろうというところで勝てて良かった」。Jリーグで毎年コンスタントな実績を残し続けてきた25歳が、代表の舞台でも揺るがぬ価値を示してみせた。

(取材・文 竹内達也)