新生・相模原が戸田和幸新監督と積み上げる新たな歴史。一新したチームで既存選手が受け継いでいくべき“諦め悪い姿勢”
所属選手は35歳のGK竹重安希彦を除けば、全員が26歳以下。その内9名が大卒ルーキーという、かなりフレッシュな体制だ。
「ある意味、そこが僕の今日一番重要な仕事だと思っていた」と指揮官が話していた始動日のミーティングでは、なぜこのクラブに集まることになり、どこへ向かうのかを改めて確認。「そこに力強く向かってほしい、成長して発展をして、突き抜けるところまでみんなで行こう」と熱を込めて伝えた。
桐蔭横浜大から加入した左部開斗は「心打たれる部分があり、『ついていきたい』と思いました」と語り、その熱量は選手にしっかりと届いたようだ。
グラウンドは戸田相模原の船出を“歓迎”するかのように、かなりの風が吹き荒れていた。「ボールの動きがブレて、声が届かなかったりと、アゲインストな天候」(戸田監督)だったが、選手たちはモチベーションを一層高め、初日の練習に臨んだ。
選手同士が顔と名前を覚えるためのレクリエーション的なメニューから始まり、パス交換の際には監督自らボールの置き方や受ける前の準備、顔の上げ方などを選手たちに伝えていた。基礎的なトレーニングからスタートし、3月の開幕戦へ向けて計画的に準備を進めていく。
すべてが新しくなった相模原だが、そのなかでも失ってはいけない、伝えていかなければいけないモノがある。
「自分はその時はいませんでしたが、相模原はJ2に昇格した時のような諦めない戦いができるチーム。そういうモノは継承していくべきだと思っています」
そう話すのは、J2初年度の一昨季に加入したアタッカーの安藤翼だ。諦めずに戦った相模原は2020年シーズンの最終節、逆転でJ2昇格を掴み取った。そして、安藤が加入したシーズンも相模原は諦めの悪さを示した。
第40節の愛媛FC戦では、終了間際の連続得点で残留を直接争うライバルに逆転勝利を収めるなど、何度も粘り強く戦ってきた。結果としては最終節にJ3降格が決まってしまったが、諦め悪く戦った安藤ら既存の選手には、そうした歴史を新体制になったチームへ繋いでいく役割が求められる。
「最後まで戦う姿勢を見せて、観てくださっている方々がワクワクして『また試合を観に行きたい』と思ってくださるようなゲームを常にしたい」と安藤は語気を強める。フィールドプレーヤー最年長でクラブ在籍3年目の26歳は、ひた向きに、泥臭くゴールへと向かっていける選手。クラブが大きく変わるシーズンになるが、ピッチ内ではその姿勢を変えず21名の新加入選手に背中で示してほしい。
戸田新監督とともに進化し、変化していくモノと、変わらないで受け継いでいくモノ。この2つが重なり、SC相模原は今季、新たな歴史を積み上げていく。
取材・文●舞野隼大
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