なぜ「車速連動ドアロック」は定番装備にならない? ドア施錠の「メリット・デメリット」は? 必須採用されない背景とは
自動でドアロックのメリット・デメリットはどんなところなのか?
「車速連動ロック」や「オートドアロック」などといった、一定の速度に達したときにドアを自動的にロックする機能を備えたクルマが増えています。
このような機能は非常に便利ともいえますが、すべてのモデルに適用されているわけではありません。その理由や背景には何があるのでしょうか。

【画像】このドア開けられる? ずっとドアを開けて見せびらかしたい…豪華内装が凄い高級車を見る!(15枚)
車速連動ドアロックやオートドアロックなどと呼ばれる機能は、ATシフトを「P」以外にしたときや、15km/hから20km/hなど一定の速度に達したときにドアを自動的に施錠(ロック)するというものです。
こうした機能は目新しいものではなく、じつは1980年代にブームになったこともあります。
当時は、電動による集中ドアロック自体が珍しく、それをアピールするための高級車に限られた機能という面もありました。
しかし、いまやドアロックが手動というクルマもほとんど見ることはなくなっており、軽自動車であってもスマートキーは当たり前となっています。
そのため、オートドアロック機能を装備することは難しいものではありません。
ただし、オートドアロックは賛否両論があり、すべてのモデルが標準装備にするという状況にはなっておらず、メーカーによってもスタンスが異なっているのが現状です。
オートドアロックに対する否定的意見としては「降りるときに、いちいちドアロックを解除するのは面倒」、「交通事故など救助をするときに施錠されているのは問題」、「ドアロックのガチャンという音が気持ち悪く感じる」といったものが代表的なようです。
一方で、「走行中に誤ってドアハンドルを操作しても開かない」、「信号待ちやあおり運転で突然襲われたときに身を守ることができる」といったメリットを挙げる声もあります。
こうして整理するとメリットのほうが少ないようにも思えますが、コーナーで体を支えようとした子どもや高齢者が、誤ってドアハンドルをつかんでしまっても、ロックしてあればドアが開かないというのは、日本のユーザーにとっては大きな安心材料です。
また海外でオートドアロックが普及した背景には、信号待ちなどで物盗りが助手席やテールゲートを開けて何かを盗むのを防ぐという意味があったといわれています。
近年では日本でも、いわゆる「あおり運転」がエスカレートしたことで、クルマを強制的に停止させられ暴力を受けるという事件がありますが、ドアロックして窓をしめていれば身を守ることは可能です。
こうした背景もあって、近年になった隠れたブームとして、オートドアロックの採用車が増えているようです。
実際にドアロック搭載車に対する反響について、国産メーカーの販売店スタッフは次のように話しています。
「ファミリー層から『あると便利な装備』と支持されており、購入検討時の条件として考えているお客さまもいます。
その一方で『スムーズな乗降が出来ない』とやや不便に感じる人もおり、このあたりはお客さまの好みの問題にもなっています」
車速連動ロックやオートドアロック…全てのモデルに標準装備されていない理由
前述のとおり、オートドアロックのデメリットのひとつとして、事故などでドアロックがかかったままでは救助に時間がかかる可能性があることが挙げられます。
しかし、最近のクルマに備わるオートドアロックは、SRSエアバッグの展開などに連動してドアロックを解除する機能がついていることが増えているため、そうした心配はほとんど無用といえます。
またドアロック解除について、かつてのモデルではいちいちドライバーがボタンを押す必要もありましたが、最近のクルマでは異なっています。
ホンダの場合は、セレクトレバーもしくはエンジン始動/システム起動に連動してドアロックを解除する機能を備えています。
具体的な動作でいえば、クルマを駐車場などに停めてATシフトを「P」レンジに入れるとロックを解除。
さらに安全性を高めたいときには、エンジンを止めて、アクセサリーモードもしくはオフにしたことに連動して、ロック解除するように設定することもできます。
例えば、駅まで送って車寄せで降ろすようなときも、「P」レンジに入れるだけでロック解除できるため、ストレスのないスムーズな乗降が可能です。

一部のユーザーからは「D」レンジでブレーキを踏んだまま、サッと降りることができないのは不便という声もあるようです。
ただし、誰かが乗り降りしているときにクリープ現象によってクルマが動いてしまうのは危険であることから「P」レンジに入れることでロックが解除されるというのは、安全面から理にかなっているといえそうです。
※ ※ ※
ちなみに、こうしたオートドアロックについては機能そのものをオン/オフすることや、ロック/アンロックのトリガーについてもユーザーが設定を変えることができることがあります。
もし、オートドアロックがついていることが気になるようであれば、ほとんどのクルマでオフにすることが可能です。
