シャープのポケコンで採用された2.5インチFD「ポケットディスク」:スイートメモリーズ File086
[名称] ポケットディスク(POCKET DISK、CE-1650F)
[種類] 磁気ディスク
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 約63.5mm(実測)
[容量] 128KB(片面64KB)
[登場年] 1986年頃〜
今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。
「ポケットディスク」は、シャープが発売したポケコン用のフロッピーディスク(FD)型メディア。サイズが2.5インチとコンパクトで、小さなポケコンと組み合わせて使うのにピッタリなのが特徴です。
容量は片面64KB、両面128KBと、この時代としても少なめです。といっても、対応していたポケコンのメモリーが128KB以下ということがほとんどで、そこまで大きなプログラムやデータを扱うことが少なかったこともあり、この容量でも十分だったのでしょう。
同じ片面64KB、両面128KBのディスクといえば、クイックディスク(Quick Disk)が先に登場していますが、これはトラックが渦巻き状の1本となっているため、ランダムアクセスが不得意。これに対しポケットディスクは、16トラック(8セクター)となっており、ランダムアクセスしやすい仕様となっていたのがメリットです。容量こそ小さいものの、その中身は、より3.5インチFDに近くなっていました。
なお、当時のポケコン用の外部記憶として、メディアとドライブが安めとなるカセットテープも使われていました。カセットテープはプログラム本体など、単一の情報を読み書きするのは得意だったものの、データを逐一読み書きするようなランダムアクセスには向いていません。また、複数のプログラムやデータを書き込んだ場合、読み出すのは少々手間で、書き込んだ付近までテープを巻き戻し/早送りする必要がありました。
標準価格でドライブ(CE-140F)が4万9800円、ポケットディスクが10枚9800円というのは高価でしたが、手軽にデータの読み書きができるようになったため、ポケコンの可能性が広がりました。
それでは、ディスク本体を見ていきましょう。

裏返して両面使える仕様となっていたため、裏表の違いはなし。あえて言うなら、右下に面を表す「A」「B」という文字があるのが違いでしょうか。
中央のハブ部分は樹脂製。隙間は小さめとなっていて、ホコリが侵入しにくくなっています。また、シャッターは金属カバーの下に配置されており、こちらも厳重。ちょっと、コンパクトフロッピーにも似ていますね。
右下にある赤い部分は、ライトプロテクト用のスイッチ。スライドすることで、書き込み禁止にすることができます。左下にもありますが、こっちは裏面のスイッチです。

せっかくなので、サイズ感が分かるように3.5インチFDと並べてみました。こうしてみると、サイズがかなり小さくなっているというのが分かります。
とはいえ、構成要素がほぼ変わらないこともあって、デザインは結構似ています。

シャッターを開けてみたところ。ロック機構などはなく、上部の赤いパーツをスライドすると簡単に開きました。一方向にしか開かないので、裏返した場合には逆方向にスライドする必要があるのですが……このあたり、ドライブの構造がちょっと気になります。

これは、ライトプロテクト用のスイッチを横から見たところ。スライドスイッチが側面に用意されており、ペンなど、先の細いもので動かせるようになっていました。
2.5インチというサイズはポケコンにはピッタリだったのですが、既にPCやワープロなどでは3.5インチFDの採用が始まっており、残念ながら、マイナーな独自規格止まりとなりました。
おまけ:
3.5インチよりも小さなディスクは意外と多く登場しており、この連載でも紹介しています。いくつか集めてみたので、知らないものがあれば読んでみてください。

上段:「マイクロディスクシート」、「コンパクトフロッピー」
中段:「MD DATA」、「2インチデータディスク」、「クイックディスク」
下段:「ポケットディスク」、「LT-1」
これ以外にも、まだまだあります!
連載:スイートメモリーズ
参考:
Sharp Pocket Disk, Museum of Obsolete Media
CE-140F, PockEmul
