電動なのに普通の歯ブラシみたい! 日本での普及に挑むフィリップス渾身の乾電池式電動歯ブラシ「Philips One」

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フィリップス・ジャパンが11月19日(金)に発売した新しい電動歯ブラシ「Philips One(フィリップス ワン)」は、日本で普及が遅れている電動歯ブラシを、より多くに人に使ってもらえるよう開発された逸品だ。

フィリップスが展開している従来の充電式電動歯ブラシ「ソニッケアー」シリーズと比較すると、性能的には見劣りする面もあるが、それは、電動歯ブラシを普及させるために必要だった。

その理由と秘密とは何か?

Philips Oneの使用感とあわせて、ソニッケアーシリーズの中でも初心者向けモデルとされている「HX680」シリーズとの違いをみていこう。


■「普通の歯ブラシ」の手軽さを追求したPhilips One
新しい電動歯ブラシPhilips Oneは「普及機」として
・普通の歯ブラシとあまり変わらない持ちやすいさ
・電動歯ブラシとしてはかなり軽量
・持ち運びやすい専用ケース付き
・4色のカラフルなカラーバリエーション
・ボタンは電源オン/オフのひとつだけ
・単4形乾電池1本だけで動く
・ブラシヘッドの振動が従来品よりも少ない
・価格が安い
これらの特長を揃えている。

これまでのソニッケアーと比較すると、
・大きさ
・重さ
・充電器が不要
・価格が安い
これらが大きく異なる。

Philips Oneでは、従来の手磨き用の歯ブラシに近いサイズ感にする
ことで、
・電動歯ブラシを初めて使う人
・若年層
この利用者を増やすのが最大の狙いだ。


左がソニッケアー プロテクトクリーン HX6803/66、右がPhilips One


1分間の振動数はソニッケアーHX680シリーズは約3万1千回、Philips Oneは約1万3千回とおよそ3分の1となっている。

振動数が多いほうが強力に磨けるのではないか?
そう思ってしまうだろう

しかし実際に使ってみると「強力」であることは、
「すべての人にとって良いというワケではない」
このことがわかる。

ソニッケアーHX680シリーズは唇もかなり振動して、ブラッシングが終わっても余韻が残るほどの違和感を抱く。人によってはそれが不快感にもなるだろうし、そうでなくても電動歯ブラシ特有の使用感には慣れは必要となる。

ところが、Philips Oneはそこまで激しく振動しないため、違和感が少なくて済む。
フィリップスも、従来の手磨きと同じ方法でブラッシングすることを推奨しているほどだ。

初心者へのハードルが低いだけでなく、これまでのソニッケアーシリーズでは
・振動が強い
・使用感後に違和感が残る
こうした人にとってもオススメできる製品なのだ。


ソニッケアーHX680シリーズでは内蔵バッテリー型で充電器が必要



Philips Oneは単4形乾電池1本で駆動する


ソニッケアーHX680シリーズは充電池を利用するが、Philips Oneは単4形乾電池1本でおよそ3カ月間使用できる。
パッケージにも予備の単4形電池がもう1本付属している。

充電池であること自体はそれほど大きな問題ではないが、
「充電をする際に専用の充電器が必要となる」
実は普及には、これが大きな課題なのだ。

例えば長期間の旅行などで使いたい場合は、
・充電器も持っていかないといけない

日常使いでも、
・専用の充電台を使用しなければいけない
・充電器を置く場所を確保しなければいけない

毎日、日に何回も利用するからこそ、
・わずらわしさがない
・出先でも気軽に使える
こうした使い勝手が求められる。
それを実現したのがPhilips Oneなのだ。

フィリップスとしても普段から持ち歩いて使用してもらえるよう専用のトラベルケースも付属している。

そして、初心者や若年層も手に取りやすい価格帯に設定したことも大きい。

ソニッケアーシリーズでは
・安価なものでも5千円〜6千円台
・高性能モデルでは4万円台
これでは「電動歯ブラシは高い」というイメージを持ってしまう。

しかしPhilips Oneは、
・市場想定売価が3千400円前後
手軽に購入できる低価格を実現しているのだ。

使用感としては「普通の歯ブラシ」に極めて近い。
価格も含め従来のソニッケアーシリーズと手磨き用歯ブラシのちょうど中間の位置付けとなる製品だ。

まずはPhilips Oneで電動歯ブラシを体験してみて、その後ソニッケアーシリーズにステップアップしてもいいし、Philips Oneを継続利用してもいいだろう。

また自宅ではソニッケアーシリーズを使用し、出先ではPhilips Oneを携帯して利用するといったように使い分けることもできる。


■日本は電動歯ブラシの普及率が低い
なぜフィリップスは、電動歯ブラシを「普通の歯ブラシ」化したのだろうか?

その理由は、日本における電動歯ブラシの普及率の低さにある。


欧州各国と比較するとおよそ半分以下の普及率


11月2日に都内で開催された「フィリップス オーラルケア 新製品発表会」で、フィリップス・ジャパン 代表取締役社長 堤浩幸氏は日本の電動歯ブラシの普及率の低さを指摘した。

2019年にフィリップスが調査した結果では、欧州各国の普及率に比べておよそ半分以下、主要9カ国の平均値(グルーバル平均)と比較しても約半分とかなり低い。

欧州での電動歯ブラシの使用率の高さは
・予防意識が高い
・歯科医師が電動歯ブラシを推奨している
これらの理由があげられており、確かに日本とは異なる背景や事情があることがわかる。

一方で、日本で電動歯ブラシが使われていない理由は、
・手磨きで満足している 58%
・価格 35%
・ランニングコスト 18%
このようになっており、「手磨きで満足している」が圧倒的に多い。

発表会で製品のプレゼンを担当したフィリップス・ジャパン パーソナルヘルス事業部 佐々木栄美氏は、およそ2割という国内での普及率の低さに、

「我々もなにか革新的な製品が必要なのではないか」

そう考えていたのだと明かした。

そして誕生したのがPhilips Oneなのだという。

つまり、このPhilips Oneは新しい利用者を開拓して、電動歯ブラシの普及率向上を狙うために開発されたフィリップス渾身の製品といえるのだ。

そんなPhilips Oneは、Amazon.co.jpや楽天市場などのECサイトおよび全国の家電量販店などで販売される。前述のように市場想定売価は3千400円前後で2本組の替えブラシ(ブラシヘッド)は1千300円前後で販売される。


Philips One 乾電池式電動歯ブラシ(45秒)


Philips One 乾電池式電動歯ブラシ | Philips


執筆:S-MAX編集部 2106bpm