三井住友DSアセットマネジメントが運用する「グローバルAIファンド」の税引前分配金再投資基準価額が6月30日に4万124円となり、設定から約4年9カ月のトータルリターンが300%台に乗せた。この水準の成長が続けば、さらに数年で税引前分配金再投資基準価額8万円や10万円という水準も期待できる。(グラフは、2016年9月から21年5月までの「グローバルAIファンド」のポートフォリオのEPSが年率29.4%の成長率が今後も継続すると考えた場合のEPSのトレンドラインとファンドの基準価額の推移)

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 三井住友DSアセットマネジメントが運用する「グローバルAIファンド」の税引前分配金再投資基準価額が6月30日に4万124円となり、設定から約4年9カ月のトータルリターンが300%台に乗せた。この水準の成長が続けば、さらに数年で税引前分配金再投資基準価額8万円や10万円という水準も期待できる。現存するファンドの中で、設定来のトータルリターンが13年6カ月で2150%が最大(21年5月末現在)のファンドだが、「グローバルAIファンド」も長期トレンドとして設定来トータルリターンが1000%を超える可能性が見えてきたようだ。三井住友DSアセットマネジメントの田村一誠氏、そして、実質的な運用を担っているアリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの滝沢圭氏に今後の展望を聞いた。

 ――今の相場状況をどう見ていますか? FRBの対応(テーパリング=量的金融緩和の縮小、利上げ等)から、今テクノロジー株式を買うのは得策ではないという見方もありますが?

滝沢 運用チームとしては、FRBがインフレの高騰を放置せずに、テーパリングや利上げに向けた動きを見せ始めたことについて、前向きに捉えています。インフレ高騰への懸念が落ち着き、FRBが適切に対処することで、長期金利が急騰するリスクは低減されると見ています。

 過去においても、長期金利が急騰した局面では一時的にテクノロジー関連銘柄が調整したこともありました。しかし、過去のFRBのテーパリングや利上げ局面、もしくは、長期金利の緩やかな上昇局面では、テクノロジー関連株は堅調な推移を継続しており、他のセクターをアウトパフォームしている局面も多くありました。また、今年に入ってからの金利上昇によって高成長銘柄の株価が一時調整した一方で、非常に高い業績拡大は続いており、いくつかの銘柄ではバリュエーションも下がってきました。このため、テーパリングを警戒して株価が下げるような場面があれば、相場環境、バリュエーション的にも、むしろ良い買い時になるのではないかと考えています。

 ――ファンドは設定から5年足らずで基準価額(分配金込み)が4倍に値上がりし、さすがに、このスピードで今後も上昇することは難しいのではないかという見方をする人も少なくないと思います。現在の基準価額の水準についてどう考えますか?

滝沢 各年末のトップ10銘柄の変遷を見ると、同じ銘柄をずっと持ち続けているわけではなく、その時々で魅力的な銘柄に入れ替えているのがわかります。株式市場の変動幅が大きく、様々な要因で株価が動く中で、各銘柄のウェイトをアクティブにコントロールすること、そして、常に新規で魅力的な銘柄発掘を行うことが重要になってきています。

 一方で、直近もトップ10に入っているテスラやロク、スクエア、スナップなど中長期で高い成長が期待出来る銘柄は、機動的にウェイトを調整しながらも、コア銘柄として長期で保有を継続しています。このように、長期でAI(人工知能)産業の大きな成長を捉えることを目指しながら、その時々にスポットライトがあたる旬な銘柄にもしっかり投資している柔軟な態度が、ファンドの継続的に高いパフォーマンスを支えていると思います。

田村 ファンドのポートフォリオの回転率は年率100%くらいになっています。1年間で全ての銘柄が入れ替わっているイメージです。実際には、テスラやロクなど長期で保有している銘柄もありますが、その銘柄もじっと持ち続けているのではなく、状況に応じて保有比率を見直しています。中小型株ファンドに多い、成長銘柄を発掘して長期保有するという運用態度とは大きく異なっているのが、当ファンドの特徴です。