日本から海外への研究者の流出が止まらない。毎年かなりの若手研究者が米中の大学に移転している。中でも、中国の大学に招致されるケースも増加しており、日本の「頭脳流出」の深刻さは加速している。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本から海外への研究者の流出が止まらない。毎年かなりの若手研究者が米中の大学に移転している。中でも、中国の大学に招致されるケースも増加しており、日本の「頭脳流出」の深刻さは加速している。実際、日本の研究者が中国に移転するケースは前年比で25%も増加しているとのこと。いったいなぜ多くの研究者が中国に移転するのか。中国メディア百度が、中国にやってくる日本人研究者の声を紹介している。

 まず記事は、ある日本の研究者の言葉を紹介している。「日本では研究職がなかなか見つからない。日本と比較すると中国のほうが報酬もはるかにいい」。さらに、研究資金の豊富さも魅力の一つと言う。記事は「ある統計によると過去2年で日本の研究資金は中国の1/7にまで落ち込んでいる」と述べ、これが日本の研究者が中国に流出する理由と述べている。日本で研究費が削られ、年功序列の組織で不自由な思いをしている若手の研究者にとっては、潤沢な研究資金と、優遇された研究環境に魅力を感じるようだ。

 また、別の研究者は「日本でそれなりに安定した仕事についていたが、会社がアメリカに買収され、自分の研究成果がそのままアメリカに持っていかれてしまった。こうした状況にがまんができなくなり、日本を抜け出してより安定した仕事を求めて中国に来た」と述べている。さらに別の要因として、中国の学生の勉強に対する意欲も挙げている。激しい受験戦争を勝ち抜いた中国の大学生は、大学在学時も引き続きかなり忙しい大学生活を強いられる。記事は、「中国の大学で頑張って勉強している学生を見ると、自分も身の引き締まる思いがする」と述べる“日本人の教授”の語った言葉を引用している。 優秀な研究者は国にとって欠かせない資産。様々な理由で海外の環境を求めて移動していくことは、日本の頭脳の空洞化を招きかねない。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)