(CNN)米カリフォルニア州南部のハイスクールで16歳の男子生徒が同級生を銃撃して5人を死傷させた事件で、ロサンゼルス郡の捜査当局は、容疑者の生徒が「ゴーストガン」と呼ばれる組み立て式の銃を使っていたことを明らかにした。

ロサンゼルス郡のアレックス・ビラヌエバ保安官がCNN系列局KABCに語ったところでは、今回の事件で使われたのは別々に調達した部品を組み合わせてつくる「キットガン」と呼ばれる種類の銃だった。そうした銃は製造番号がなく、当局による追跡が不可能なことから「ゴーストガン」と呼ばれている。

こうした追跡不可能な銃は、インターネットや銃の展示会でセット販売されている部品を使って組み立てることができるという。

銃を購入する場合、普通は身元審査などを行って登録する手続きが必要だが、ゴーストガンはそうした審査をすり抜けることができる。

「これで銃を合法的に購入し、自分で組み立てることができる。そうして手にした銃は登録されておらず、自分が銃を持っていることは誰も知らない」「これは非常に危険だ」。ビラヌエバ保安官はそう指摘した。

今回の事件では14日、16歳の男性生徒が45口径の拳銃で同級生を銃撃し、2人が死亡、3人が負傷した。捜査当局は無差別の銃撃だったと見ている。男子生徒は最後に自分を撃って、翌日死亡した。

捜査当局は、銃を組み立てたのが男子生徒だったのか、2017年に死亡した父親だったのかについても調べている。銃の組み立てセットは男子生徒の自宅の家宅捜索で見つかった。

ロサンゼルス警察とアルコール・たばこ・火器爆発物取締局(ATF)は昨年の時点で、ゴーストガンの急増を指摘していた。ゴーストガンはさまざまな事件の現場で回収されている。

今年8月に同州リバーサイドで起きた銃撃事件でも、ゴーストガンが使われていた。

ユタ州立大学は今年に入って発表した論文の中で、警察に銃の所持を禁止されている人物にとって、ゴーストガンは特に便利だと指摘していた。

米国内で現在出回っているゴーストガンの数は不明だが、カリフォルニア州にあるATFの1登録局だけでも、2017年の1年間に入手したゴーストガンは250丁に上る。

ビラヌエバ保安官は、こうした犯罪に対する米議会や州議会の対策は銃登録を前提としていると述べ、「だが銃業界は武器を自分で製造する仕組みをつくり出すことによって、全ての対策をすり抜ける手段を確立しつつある」と危機感を示した。