国産メーカーの伝統的な名前が残っているのは嬉しい

 2019年夏に、三菱が日本国内向けのパジェロの製造を止めるという発表があった。1990年代のRVブームでは主役といえる存在だったパジェロの国内販売がなくなってしまうことは衝撃的だが、けしてパジェロが消滅してしまうわけではなく、海外向けの生産は続けられるのだという。つまり「パジェロ」という名車の系譜が途絶えてしまうわけではないし、まだまだ進化する可能性は十分にある。

1)日産パルサー

 じつは、同様に日本市場からは、その名前が消えてしまったかつての名車が“知らぬ間に”成長しているケースというは他メーカーでも存在している。その筆頭といえるのが「日産パルサー」だろう。1980年代、日産の新しい主力モデルとして存在感を示したパルサーは、1990年代には「GTI-R」なる2リッターターボのフルタイム4WDも設定、WRCにも参戦したこともある。また、就職活動において日産の面接で「GNPについて説明してください」と聞かれた就活生が「ガンバレ、ニッサン、パルサー」と返して合格したという都市伝説が流れるほど、その名前は知れ渡っていた。

 そんな「パルサー」という名前は、欧州のCセグメントカーにつけられている。190馬力を発生する1.6リッターターボが積まれていたこともあったが、最新のフランス仕様は115馬力の1.2リッターガソリンターボと110馬力の1.5リッターディーゼルというパワートレイン。基本は6速MTとの組み合わせで、ガソリンターボのみ7速マニュアルモード付きCVTを選ぶことができる。価格帯は2万1000ユーロ〜2万3000ユーロ(約250万円〜280万円)だ。

名前は残っているが姿を見るとアレ? なクルマ

2)トヨタ・クルーガー

 トヨタのクロスオーバーSUV「ハリアー」の姉妹車として2000年に誕生した「クルーガー」という名前を覚えているだろうか。スクエアでコンサバなルックスだったが、V6ハイブリッドをラインアップに加えたり、この車体をベースとした燃料電池車が作られたりするなどテクノロジーよりのキャラクターも持ったSUVだった。

 その「クルーガー(Kluger)」という名前は、オーストラリアで7人乗りSUVモデルとして生き残っている。現地でのキャッチコピーは「アルティメット・ファミリーSUV」。究極というキャッチにふさわしく、エンジンは3.5リッターV6で、トランスミッションは8速ATとなる。最高出力は218kW(約296馬力)、最大トルク350N・mを確保し、2000kgのトーイング能力を持っているという。もちろん、最新の先進安全装備である「トヨタセーフティセンス」も備わっている。駆動方式は2WDと4WDが設定されている。

3)ホンダHR-V

 ホンダ「HR-V」といえば1998年に3ドアと5ドアという2つのボディタイプで登場した、クーペSUVのルーツともいえるスタイリッシュなモデル。全車1.6リッターエンジンというプレミアム感のある設定だったことも記憶に残る。日本では2006年に販売を終了しているが、どっこい海外ではその名前は現役だ。

 といっても、写真を見ればわかるように日本でいうところの「ヴェゼル」の海外名。欧州仕様のパワーユニットは96kW(130馬力)を発する1.5リッターの自然吸気エンジンのほか、134kW(182馬力)の1.5LリッターVTECターボ、そして88kW(120馬力)の1.6リッターディーゼルの3種類。いずれにも6速MTが設定されているのは日本のホンダファンからすると少々うらやましいと感じるかもしれない。