精神科医エレナ:診療科別、リアル「医師の恋愛事情」。一番危険な男は、何科の医者?
慌ただしく、そして力強く、東京を生き抜く男たち。
だがしかし、東京で暮らす男は皆、煌きながらも、密かに心の闇を抱え戦っている。
いくら頑張っても果てしなく渇き続けるそんな東京砂漠に、一滴の雫の如く、彼らの闇を癒す存在がいた。
エレナ、29歳。石川県出身。職業、精神科医。
これは、彼女が東京の男たちの心の闇を解決していく物語である。
美人形成外科医の悪友サトコから強烈な結婚宣言を受けたエレナ。その後国産を愛する「崇成」、ピュアすぎる「ケイ」、浮気性の「忠之」、能天気な「輝夫」の悩みを解決してきた。

医師たちの恋愛事情。彼氏にするなら、何科の医者?
医者の恋愛と聞いてどんなイメージを持つだろうか。モテる、遊び人、変わり者…?正解は、科によって違う。
イメージ通りなのは外科医だ。彼らは当直明けに、病院近くに住む手軽な看護師の家に立ち寄って1時間足らず過ごし、気が済むと「患者が急変した」などといってイソイソと退室する。出会いを探しに出かける時間がなくて身近な女に手を出すから、トラブルは必発。結局女の執念や策略に負けて早めに結婚する。
スマートに遊ぶのは「マイナー外科」。皮膚科や、耳鼻科、「青山ヒロム」でお馴染みの眼科等が含まれる。仕事とプライベートのバランス感覚がよく手先も器用な彼らは、港区のパーティーやCAとの合コンでソツなく遊ぶ。『CICADA』等女ウケが良い無難な店によく出没する。
消化器科や循環器科といった「メジャー科」は、善良な常識人が多い。医学部時代からの彼女と結婚し、人並みに浮気する。職場の飲み会の後に看護師と。合コンで出会った平凡なOLと…。元優等生の彼らは「浮気をする俺は、チャラい」と信じているし、妻に子供ができると改心して遊びをやめることさえある。
さわるな、危険。上級者向けの科は、この2つ。
サトコの分析によると、群を抜いて「変態」なのが、精神科医と麻酔科医だ。
精神科医は、許せる範囲が広すぎる人間だ。患者はいつも予想外の言動をとるから、ヒトは不思議なものだと誰よりも知っている。「まあ仕方ないね」が口癖の彼らは、他人に甘く、自分にも甘い。
麻酔科医は、許せる範囲が狭すぎる人間だ。目の前には眠った患者が横たわり、その血圧や脈拍は彼らの意のままに推移する。理屈っぽく妥協を許さない彼らは、他人に厳しく、自分にも厳しい。
黒崎、34歳。長崎県出身。職業、麻酔科医。
僕は麻酔科医という仕事を天職だと思っています。事前に情報を集めて作戦を練り、手順や時間配分を計算し、計画通りに事を進めていく。想定外の事態にも冷静に対処する。数を多くこなし、各症例を分析することでセンスが磨かれていく。
そう、僕にとっては手術麻酔も恋愛も同じなんです。
麻酔科医「黒崎」の壮絶な恋愛観。彼の恐ろしい復讐とは?
「たかが上位1%」の男が、収入と地位を得る方法は?
申し遅れましたが、慶応大学病院麻酔科の黒崎と申します。エレナ先生とは、彼女が研修医として慶応病院に就職した5年前に出会いました。
少しだけ僕の話をします。僕は、長崎県の貧しい家で育ちました。父はパチンコ好きで母は酒飲み。学も金もない僕たちは、親族や近所から馬鹿にされていました。
どうやったら貧困から抜け出して周りを見返せるか、そればかり考えた子供時代。本当に頭がよければ色々選択肢があったのでしょうが、僕の知能なんてせいぜい上位1%。その程度で手が届き、収入も地位も得られる職業は医師くらいでした。
そんなわけで、九州大学医学部に進学しました。
計算通り医学部入学を果たした黒崎。次の計画は?
僕は自分の市場価値についてはわきまえているつもりです。頭の偏差値は80ですが、顔の偏差値は55といったところでしょう。そんな僕が恋愛市場で勝ち上がるために身に着けるべきものは何か?お分かりですよね。夜の才能です。
そのために、大学入学時に「1年で百人の女と関係を持つ」というノルマを自分に課しました。そして女との会話からベッドの中の出来事まで全て記録して分析しました。僕はもともと勉強熱心で向上心の塊ですから、まったく苦ではありませんでしたね。
1年生の3月29日に百人目の女と寝た頃には、たいていの女の口説き方は身についていました。

計算通り人生を進める黒崎。次の計画は―?
そんなとき、僕が医学部生だという理由だけで近づいてくるバカな女がいました。彼女が「黒崎君って微妙だけど、医学部ならアリじゃない?」と女友達に言っているのを聞いたとき、あるアイディアがうかびました。
我慢して関係を続け、ついに彼女が真に僕を愛し「もう金も地位もいらないから僕なしでは生きていけない」という段階になったら悠然と捨ててやろう、と。
ひどいですか?だって、こういう女が、金も地位もない僕の家族を嘲笑ったんですよ。
それ以来僕は、医者目当てでよってくるマテリアルガールたちを本気にさせては捨てていきました。ワンナイトは卒業し、一人一人に手間をかけるスタイルに変更して経験を深めていきます。
福岡の街には僕に捨てられた女が積み重なりました。もっと自分の力を試したくなって、卒業と同時に上京しました。
東京に来た当初は女たちの警戒心の強さに驚きましたが、福岡の女よりもスペックに弱いことに気付いてからは順調でした。女記録帳も300人を超え飽きてきた頃、エレナが僕の前に現れました。
ついに出会った、エレナと黒崎。戦いのゴングが鳴り響く―
抱いた女は僕のコレクション。一芸に秀でた女を加えるのも悪くない。
エレナに興味をもった理由は、彼女がセンター試験の歴代最高得点保持者だと聞いたからです。ばかばかしいと思うかもしれませんが、僕たち麻酔科医は数字にうるさいんですよ。いい女は味わい尽くしたから、一芸に秀でた女を僕のコレクションに加えるのも悪くない。
エレナの見た目は女医のわりにはマシですが、東京恋愛市場では中の中。高学歴で中途半端な見た目の女は自己承認欲求が強いので、直球で褒めればバカみたいにコロッと落ちるものです。
そのうえ、石川県の公立高校から北大医学部という学歴。こういう「田舎の神童」タイプは恋愛経験が乏しくスレていないので、一番騙しやすい。何から何まで楽勝案件でした。

「術前診察」を始める黒崎。エレナの予想外の素顔が明らかに…
念のためにエレナの観察を始めると、この女、地味な顔の割になかなかやり手なことが分かってきました。
エレナは研修した科すべてに、それぞれ男を作っていたのです。しかも相手は一癖も二癖もある猛者ばかり。飲み会では輪の中心でチヤホヤされるのは好まず、隅っこで男と2人、ヒソヒソ話している。
地味顔のくせに会うたびに違うロエベの鞄を持っているし、普段気弱そうなくせに、会釈するとき妙に挑戦的にジッと目の奥を見てくる。とにかく違和感を感じる女でした。僕は腑に落ちないことを放っておくのが嫌いなんです。
仕掛けたのは黒崎。エレナの反応は?
ついにエレナが研修で麻酔科にやってきました。僕は麻酔中、自分が使ったペンを、隣に座る彼女の胸ポケットに無言でしまいました。これをやって拒否反応をみせない女は抱ける、というのを僕は経験的に知っているからです。
エレナは僕の手と自分の胸ポケットを眺めたあと、真顔でジッと僕の目を見てきました。睨むでも喜ぶでもなく、ただ不思議そうに。
「悪魔って好き?」
「嫌いじゃないですよ」
「じゃあ、悪魔の酒を飲みに行こう」
<次週9月7日(水)>
麻酔科医黒崎vs.精神科医エレナ。“悪魔の酒”を口に含み、彼らの戦いが始まる…。
【これまでの精神科医エレナ】
vol.1:バブル系形成外科女医 vs 清楚系精神科女医。女の衝撃報告から物語は始まる。
vol.2:自信欠乏者な「ザ・国産男」。彼の失恋に効く処方箋は?
vol.3:キレる、泣く、束縛する…結婚で豹変した女。男がやりがちなNG対応とは?
vol.4:エレナも惚れた『セスナ』所有の経営者。その呆れるほど「ゲスな」悩みとは?
vol.5:「ハゲ」は男の最大の武器!今宵もエレナ先生がトンデモ論を連発?

『CICADA』
都会にいながらリゾート気分を楽しめる、環地中海料理レストラン。雰囲気抜群のプールサイドのテラス席は勿論、待ち合わせにぴったりの立ち呑みスペースもあり様々なシーンに活躍する。女子が喜ぶレストランとして有名な、表参道デートの定番。

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