駐日ブルガリア共和国 特命全権大使からはブルガリア政府が推進するデジタル施策と、バルカン半島におけるデジタル人財育成のリーディングカントリーとしての取り組みが紹介されました。また長年にわたる初等・中等教育段階からのSTEM教育の徹底や、若年層へのプログラミング教育の普及など、国家戦略としての人財育成モデルが共有されました。

質疑応答では、インド代表団からは、シニア層へのDXリカレント教育の難しさが提起され、日本およびブルガリアにおけるDX・リスキリング施策の実態や、その具体的な進め方について踏み込んだ質問が寄せられました。

政府のリーダーシップと民間の創意工夫がイノベーションと持続可能な人財育成を生む鍵であることを確認するとともに、育成された人財が活躍できる場を創出していくことこそがグローバル人事の重要な責務であると、華園がセッションを締めくくり、未来の世界と人事のあり方について共通認識を深める、有意義なセッションとなりました。

基調講演「流行から実行へ:AIが形づくる人事の未来」(14:30~15:30)
Kenja 株式会社 代表取締役社長 片木 テッド氏

急速に進化する生成AIの可能性と「言語だけの知能」「幻覚」「メモリ制約」などの限界が整理され、人事がどのように備えるべきかが示されました。

AIを「アシスタント」「ワークフローに組み込まれたエージェント」「自社ナレッジと連携するRAG(検索拡張生成)」として使い分け、評価コメント作成、オンボーディング自動化、HRポリシーチャットボットなど具体的なHR活用例が紹介され、人が最終判断を行うことの重要性が強調されました。

さらに、セキュリティ・プライバシー・正確性のリスクに対しては、ゼロトラストやアクセス制御、多拠点コーパスによる「Multiple Brains」型の情報管理が有効であるとし、AIリテラシーとコンテンツマネジメントを前提に、小さなパイロットから全社展開へとつなげていくことが提言されました。

参加者との質疑応答では、カンボジア金融庁代表団より、金融行政においてはフィンテック分野でのAI活用を最重要テーマとしていることが共有されました。

また、具体的な人事業務への活用方法に関する質問が相次ぎ、特に汎用的な生成AIと、自社ナレッジと連携するRAG(検索拡張生成)型AIをどのように使い分けるべきかについて、参加者から踏み込んだ質問が寄せられました。
本基調講演では、急速に進化する生成AIを「流行」で終わらせず、人事の現場でどう「実行」に落とし込むかという実践的な視点が提示されました。

パネルディスカッション #2「DE&Iの真実:世界各国の今とこれから」(16:00~16:30)
o フィリピン参加団代表 ギルバート・カマスラ 氏
o マレーシア代表団代表 チン・ウェイホン 氏
o 参議院議員 石井 苗子 氏
o モデレーター:
一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI) 主任講師 ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング
マネージング・プリンシパル ロッシェル・カップ 氏

日本・フィリピン・マレーシアそれぞれの文化的・政治的・経済的背景のもとで、DE&Iがどのように進化しているかが議論されました。参議院議員 石井苗子氏からは、自民党総裁選への女性候補擁立という歴史的出来事が、日本における女性リーダーシップとDE&I議論に与える影響について示唆が共有されました。

フィリピン代表 ギルバート・カマスラ氏からは歴史的に女性リーダーや多様な価値観を受け入れてきた一方で、宗教・家族観などの伝統的価値観が根強く、LGBTQ+やマイノリティ人財のインクルージョン、障がい者雇用などの面で、制度と現場運用のギャップが依然として課題となっていることが共有されました。