目指すべきは「歌って踊れるCFO」 ビジネスの“因数分解力”こそ重要 ――西村豊・リシュモン ジャパン 社長 リージョナルチーフエグゼクティヴオフィサー
「モンブラン」「ダンヒル」などの高級腕時計、ジュエリーブランドを多数抱えるリシュモングループ。その日本法人社長を務める西村豊氏は、社会人1年目から経理に配属され、以来ファイナンス部門を渡り歩いてきた、根っからの“ファイナンスマン”だ。16年間在籍したGEではファイナンス幹部社員を育てるために作られた、伝統ある独自教育システム、FMP(ファイナンス・マネジメント・プログラム)を卒業している。グローバル企業のCFOを長年務め、CEOとして活躍する西村氏は、ファイナンスの仕事をどう定義づけているのだろうか。(聞き手・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
伝票整理する人?
配属当初は嫌だった
日置 西村さんは、まずは極東石油に入られて、それからGEに移られて、今はリシュモン・ジャパンというご経歴ですよね。極東石油時代はずっと経理だったんでしょうか?
西村 経理と財務ですね。どっちかと言えば財務の方が長かったです。特にその頃の石油会社は設備投資も規模が大きいので、日本開発銀行などからお金を借りたり、投資計画や今後の事業拡張計画を作って提出したりと、長期の資金計画のところをやって、とてもおもしろかったですね。
あともう一つは、為替。為替をどういう風にヘッジしていくか。もちろんその頃は方針を決める立場にはないんですが、それに沿って銀行のディーラーの人とお話をしたり、実際に為替の予約をしたりと、そういうのもそれなりに面白い仕事でしたね。
最初に配属されたときは、実はあまり経理に良い印象を持っていませんでした。なんというか、一日中、伝票を整理するみたいな……。
日置 最初の印象として、ちょっと嫌だと思ったけれども、実際やってみるとけっこう楽しい仕事だなっていう風に思われたんですか?
西村 同期が3人経理にいて、その3人で簿記学校に行って複式簿記の勉強を始めたら、魅力に気づくことができました。ああ、帳簿っていうのはこうなるんだ、っていうね。もちろん大学の時も簿記の授業はあったけれど、あんまり真剣に勉強していなかった。
新入社員とはいえ、実際の事業活動を見ながら複式簿記をやっていくと、どんな事象でも貸借対照表の右と左に記入されていき、あるものは損益計算書に記入されていく仕組みって、すごいなって興味を持ちましたね。
