売り手市場続く中で安定性重視が再浮上 新入社員の職業観は多様化鮮明に 山形県内意識調査
山形銀行が実施した今年の新入社員意識調査で、就職先選びでは安定性を重視する傾向が強まる一方、仕事と私生活の両立を重視する意識や職業観の多様化が浮き彫りになりました。
山形銀行が取り引き先企業と実施した新入社員研修会の参加者を354人を対象に、4月1日から18日までオンラインで行われた意識調査には326人から有効回答を得ました。
それによりますと、就職活動を振り返った感想は「大変厳しかった」が14.7%、「厳しかった」が29.8%で、合わせた「厳しい」と感じた割合は44.5%となり、去年より低下しました。一方で「順調だった」は21.8%とやや増加し、人手不足を背景に売り手市場の傾向が続いていることがうかがえます。
就職先を選ぶ際に最も重視した点は、「安定性」が20.9%で最も高く、3年ぶりにトップとなりました。続いて「業務内容」が19.3%、「社員・社風」が14.4%となりました。企業倒産の増加や経営環境の不確実性を背景に、長く安心して働ける企業かどうかを重視する傾向が強まっているとみられます。
「働く」ことに対する考え方では、「仕事も大事だが個人の生活も大切にしたい」が54.9%で半数を超えました。次いで「働きがいがあれば仕事の苦労をいとわない」が15.0%、「給与などの待遇が良ければ仕事の苦労をいとわない」が14.1%となり、ワーク・ライフ・バランス重視が主流である一方、待遇ややりがいを重視する意見も一定数見られました。
会社との関係については、「定年まで働きたい」が男性で44.3%、女性で34.0%といずれも最多で、男性は大きく去年より上昇していて、就職先の「安定性」を重視する傾向と合致した動きとみることができます。
また、管理職志向については「管理職になりたい」が29.8%だったのに対し、「なりたくない」が30.7%とわずかに上回りました。なりたくない理由としては「自分に向いていない」が49.0%で最も多く、次いで「責任のある仕事は避けたい」が27.0%などとなりました。
今回の調査からは、「安定性」を重視する傾向が再び強まっている一方で物価上昇にも見劣りしないよう苦労してでも高い給与を得たいと考える新入社員も若干ながら増えていて職業観は多様化しています。
人材確保が課題となる中、企業には給与水準の見直しや柔軟な人事制度の整備に加え、新入社員一人ひとりの価値観に寄り添った育成が求められそうです。
