放置竹林から里山守る 竹が染物に生まれ変わる 国産竹は輸入タケノコの増加やプラスチックの普及によって需要減 放置竹林の竹を焼いて染料に 手作りならではの色合いに 手ぬぐいやバッグを染めて販売【長野】
日本テレビ系列が地球のためにいいことを考える、SDGsな1週間。「グッド・フォー・ザ・プラネット・ウィーク」、略してグップラです。「明日にちょっといいチョイス」をテーマに、視聴者の皆さんと一緒に考えていきます。
3日の話題は、放置竹林についてです。高齢化や需要の減少で放置された竹林が繁殖し、里山の維持に影響が出ています。そんな放置竹林の竹を染物として生まれ変わらせる取り組みを取材しました。
余分な染料を落とすと…生地は、淡いグレーの自然な色合いに染まります。
この黒い染料の元は「炭」。主な原料は「竹」でできています。
小諸市で管理されずにいた、いわゆる放置竹林の竹が使われています。
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「自分たちで焼いて炭にしました。マツの炭とか麻炭、にかわなど、天然由来のものを混ぜて、液体染料にしていく。」
染料を作ったのは、小諸市で家庭ごみの収集・運搬など行う企業組合です。
ごみ収集で市内をめぐる中、近年、目に付くようになったのが放置竹林だといいます。
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「昔の家ですと竹林があり、当時は手が入って整備されていたんですけど、空き家になり、竹林が拡大していくのを目の当たりにして、これはまずいなと思いました。(拡大した)先には自分たちが、昔に里山を走り回ったりした風景が、未来にできなくなってしまうんじゃないか」
この日、見せてもらったのは組合員の家族が市内で所有しているという山。
Qしなりますね?
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「しなりますね」
見渡す限りを埋め尽くす竹。
30年前、この山の竹は今の半分程度だったといいます。
所有者の家族 浅麓工業企業組合 清水洋介さん
「奥が畑だったんですけど、そっちまで広がってきた。(竹を整理しなくてはと)言っていたんですけど、親も高齢になってくると1人2人ではどうしようもない」
日本では、昔から竹は食用として植えたり、箸やかご、はしごなど身近な道具として使われてきましたが、近年、輸入タケノコの増加やプラスチックの普及によって、国産竹の需要は減り、放置される竹が目立つようになりました。
その竹が繁殖し、農地を侵食するなど社会問題となっています。
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「竹って1年間に何メートルも伸びるという話も聞きまして、やっぱり根がどんどん侵食していくので。ご覧の通り、日陰になってしまうので、下にある草木、植物は衰退していく。厄介ごみになってしまうところもありますけど、新たな使い方を模索しているところ」
こうした状況に目を向けてもらおうと始めたのが、今回の竹炭を染料に変える取り組みです。
ごみ収集の合間に自分たちで竹を伐採し焼いた竹を粉砕機で粉末に。
そこににかわなどを加え、出来上がったのが、100%天然由来の染料です。
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「軽トラ約1台分の竹が、これぐらいの量になると思います。100ミリリットルが約20本くらい(できる)。染料と水があればきれいに染まります」
ボウル1杯に対し、染料は好みの分量を混ぜ、白い手ぬぐいを入れて、5秒ほどもみます。水ですすぎ、天日で干して色を定着させると…
濃い炭色は淡いグレーに。手作りならではの色ムラも味わいを深めています。
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「ここまできれいに染まるということを想像されていない方も多いので、炭の淡いグレーが出てきれいという声をいただいています」
小林さんたちは今、この染料で手ぬぐいやバッグを染めて商品にして販売。
多くの人に里山の現状を知ってもらい、将来の里山の維持につなげたい思いです。
浅麓工業企業組合 小林英樹代表理事
「不要なもので、こんな色合いができる、こんな取り組みがあるんだと、そういうことを少しでもわかってもらって、またその先の子どもたちに伝えられるような活動、地域貢献をしてもらえればなと思います」
