覆面パトカーの赤色灯(画像はイメージ、Ystudio/PIXTA)

写真拡大

赤色灯・サイレンをつけて約10km暴走! 信号無視や速度超過繰り返す

 警視庁は2026年5月21日までに、偽の覆面パトカーで飲酒運転をして事故を起こし同乗者にケガをさせたとして、埼玉県戸田市に住む23歳の男を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)と道路交通法違反(整備不良車両の運転の禁止)の疑いで逮捕しました。

 男は2025年12月21日の午前1時20分頃、東京都練馬区春日町の路上において、酒に酔った状態で偽の覆面パトカーを運転した上、緊急車両ではないにもかかわらず赤色灯を点灯し、サイレンを鳴らしながら走行しました。

【画像】これが「覆面パトカーの見分け方」です! 画像で見る(30枚以上)

 その際、電柱に衝突し、助手席に同乗していた交際相手の22歳の女に全治3か月のケガを負わせた疑いが持たれています。

 警察によると、男は新宿区内のアルバイト先で飲酒し、交際相手の女に偽の覆面パトカーで迎えに来させた後、自らクルマを運転したということです。

 男が赤色灯をつけてサイレンを鳴らしながら走行した距離は約10kmで、その間には信号無視や速度超過、反対車線へのはみ出しなど計15回もの違反行為を繰り返していました。

 さらに事故後、男の呼気からは基準値の2倍以上のアルコールが検出されており、事故当時はアルコールの影響により正常な運転が困難な状態でクルマを運転していたとみられます。

 また同乗していた女についても、すでに道路交通法違反の容疑で書類送検されています。

 これに加え警視庁は、クルマに赤色灯を取り付けるといったクルマの改造に関与したとして、埼玉県戸田市に住む22歳の会社員の男についても道路運送車両法違反の疑いで逮捕しました。

 同容疑者の自宅からは偽物とみられる拳銃や手錠のほか、別の偽パトカーなどが見つかったということです。

 逮捕された2人の男は小中学校の同級生であり、サーキットで偽の覆面パトカーを走行させるグループに所属していました。警察はこのような行為が常習的におこなわれていた可能性もあるとみて、余罪を調べています。

 この事案に対してインターネット上では「緊急車両、それも警察の車両を装った犯罪は、それだけでより厳しい罰に処すような法律でなければいけないし、執行猶予無しの長期間の懲役に処すべきだと思う。それくらい重大かつ悪質」「厳罰にしないと模倣する輩があらわれる」など、厳しい声が相次いでいます。

 そのほか「警察車両に取り付けられるようなサイレン等の設備を、ネット等で一般人が入手できる体制も問題だと思う」「ネット通販で精巧な警察官の制服や緊急用サイレン等を購入する場合、厳しい規制を設けるべきです」など、フリマアプリやネットオークションで警察の装備を模した製品が購入できる現状について改善を求める意見も寄せられました。

 なお道路運送車両法の規定では、緊急自動車以外の車両が赤色灯を備えて公道を走行することが禁止されています。

 また各都道府県の道路交通規則によっては緊急自動車の赤色灯と見間違えるような紛らわしいライトを点灯したり、緊急自動車のようなサイレン音を発したりすることが禁止されている場合もあります。

 加えて、車両に「POLICE」や「〇〇警察」といったロゴを入れることも刑法の偽造公記号使用という罪に当たるおそれがあります。自分好みに車両をカスタマイズするといっても、法令に抵触しない範囲内でおこなうことが重要です。

※ ※ ※

 警察官がパトカーで緊急走行をするためには、警察部内で運転技能検定を受けて合格するなど一定の資格が必要であり、何の訓練も受けていない人が緊急自動車のフリをして運転することがいかに危険であるかが分かります。

 2024年2月には、福岡県福岡市の繁華街で偽の覆面パトカーが赤色灯を点灯させた状態で信号無視をし、客を乗せたタクシーに衝突してタクシー運転手と乗客あわせて4人にケガをさせる事案も発生しています。

 警察を装っての運転は特に悪質であり、今後は警察装備に酷似した用品の流通のあり方も含め、議論が広がりそうです。