外野手から「サード転向」の西武・渡部聖弥、守備の再構築で目指す新たなサード像「サードでタイトル取りたい」

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テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、埼玉西武ライオンズの未来を担う期待の若手・渡部聖弥(23歳)を特集した。

昨シーズン、新人では唯一となる二桁本塁打を放った若き大砲は、異例ともいえる新たな挑戦に取り組んでいる。

ルーキーイヤーの2025年を経て、どのような進化を遂げようとしているのか。真価が問われる「2年目の現在地」を、テレビ朝日の2年目アナウンサー・藤田大和が取材した。

◆「収穫」の1年目を経て迎えたターニングポイント

「あなたにとってプロ1年目とは?」という問いに対し、渡部はこう振り返った。

「収穫が多かった1年ですね。いろんな経験ができたことによって、すごく経験値になりました」

大学日本代表で4番を務めるなど、即戦力スラッガーとして期待され、大阪商業大学からドラフト2位で西武に入団。昨シーズンの開幕戦でスタメン出場を果たすと、5月にはプロ初本塁打を記録。持ち味の長打力をいかんなく発揮し、新人では唯一となる二桁本塁打を達成した。

藤田:「1年目の手応えはいかがですか?」

渡部:「相手ピッチャーがすごい方ばっかりで、よくできたなと思います。とくに状態がいい時は、角度がついてホームランになる打球とかも多かったです」

ルーキーイヤーで打撃に手応えをつかみ、迎えたプロ2年目の春季キャンプ。渡部が守備についたのは、昨季のレフトではなくサードだった。サードへの転向こそが渡部の2年目の挑戦だ。

渡部:「すごく大きなターニングポイントになるんじゃないかと思います。ワクワクする気持ちも不安もあるし、どういう選手像でやっていくのか、いい意味でも悪い意味でもあります」

藤田:「これまでの野球人生でサードを経験されたことは?」

渡部:「高校に入ってずっとサードをやっていて、最後の年にセンターに移って、大学からはずっとセンターをやっていました。サード自体はブランクがあったんです」

藤田:「改めてプロとアマチュア、サードって違いますか?」

渡部:「打球の速さも違えば、回転数も違いますね。今まで見たことないような感じで(打球が)来るので、そこはちょっとびっくりしました。外野からいきなりサードは難しい。でも難しいポジションをこなせれば、自信がつくかなと思います」

◆「目線を低く」名手・鳥越コーチと取り組む守備の再構築

外野手からサードへ転向する難しさ。いったい、どういったところにあるのか?

渡部:「外野手をしていると目線が高くなりがちなので、それを低くする基本の動作がなかなか定着しなかったんです。捕球姿勢がすごく高かったので」

課題は捕球姿勢の高さ。サードとレフトの捕球姿勢を比べてみると、サードのほうが捕球姿勢が明らかに低い。サードは打者との距離が近く、瞬時の反応が重要なため、捕球姿勢を低く保つ必要がある。

練習をのぞいてみると、渡部は捕球姿勢について走塁コーチから指導を受けていた。

渡部:「(姿勢が)高く上からいった動作があると、『低くだぞ』って毎回言ってもらいます。自分では無意識で高くなっていて、『低くだ!』と言われて気づいたり。そうやってどんどん身に付けていきました」

こうした捕球姿勢の改善とともに、渡部はもうひとつの課題とも向き合っていた。

2月の春季キャンプ。かつての“守備の名手”鳥越祐介ヘッドコーチと取り組んでいたのは、グラブの使い方。捕球の基礎をイチから見直していた。

鳥越:「グラブは下から出す。下から出す定義はなんだ?」

渡部:「来たボールより低いところから…」

鳥越:「そうなんよ。ボールより低かったら絶対下から出る」

グラブを下から出す。これこそが渡部のもうひとつの課題だ。ではなぜ、下から出すことが重要なのか。

姿勢が高く、グラブが上から出てしまうと、打球への反応が遅れ、グラブと地面との間に隙間が生まれ、捕球のミスへとつながってしまう。理想とするのは、低い姿勢でグラブを下から出すこと。

鳥越コーチの指導により、渡部の意識は劇的に変わった。

渡部:「すごく身になるし、自分の動作が簡単になりました。今まで難しく考えていたものが、すごく単純で簡単なんだなっていう認識が生まれました」

藤田:「しっくりきました?」

渡部:「やりやすいなっていうのは感じました」

◆「自分だけのサード像」感じた確かな手応え

積み重ねた努力は、確実に形となってあらわれている。藤田アナウンサーが印象的なプレーを尋ねると、渡部は4月10日のロッテ戦で見せた「藤原恭大のサードゴロ」を挙げた。

1点ビハインドの7回。ランナー2塁のピンチで、打席には打率3割を超える強打の2番・藤原。試合終盤の追加点の許されない場面で、渡部はグラブを地面につけ、鋭い打球をさばいてみせた。

渡部:「すごく緊迫した場面で、速い打球だったんですけど、グラブは低い位置に置いておくようにして、すごくいい準備ができていたなと思います」

目指すのは誰かの背中ではない。自分だけのサード像を築くまで渡部聖弥の挑戦は続く。

渡部:「渡部聖弥に回ってきたらファンに期待してもらえるような打者。安定した守備も見せていければなと思います。誰かに重ねるというよりは、自分自身で『渡部聖弥みたいなサード』を作り上げていきたいです」

最後に、「あなたにとってプロ2年目とは?」と問われると、渡部は決意を込めてこう答えた。

「最高の1年にしたいです。成績面でも今までで最高の1年。サードでタイトル取りたいなってすごく思います」