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初夏の気配とともに、今年も「梅の季節」がやってきます。店頭に青々とした梅が並び始めるこの時期、「そろそろ梅仕事を始めようかな」という人も多いのではないでしょうか。そこで、日本一の梅の産地・和歌山県みなべ町で5代続く梅農家に生まれ、塩と紫蘇だけで作る“昔ながらの梅干し”の製造を行なう山本将志郎さんに、「梅の健康効果」や「梅仕事のコツ」を教えていただきます。

「梅ボーイズ」としても活躍! 山本将志郎さんが教える「梅仕事」のコツは…

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梅がもたらす「健康効果」5選

「梅はその日の難逃れ」――これは朝に梅干しを食べることで災難(体調不良)を防ぐことができるという意味のことわざで、それだけ梅が健康にいいということを示しています。

代表的な健康効果としては、クエン酸の働きによる整腸作用や疲労回復、骨の老化防止、肝機能の向上など。そのほか、ビタミンEによる免疫力の向上などがあります。

それでは5つの健康効果について具体的にお話ししましょう。

1 整腸効果

梅干しに含まれるクエン酸は消化酵素の働きを助け、消化を促進します。また、クエン酸をはじめとする有機酸は腸内環境を整え、便秘の解消に役立つとされています。

2 疲労回復

クエン酸には疲労物質である乳酸の蓄積を抑える作用があり、体の疲れを感じやすい人には特におすすめ。疲労回復をサポートするとされています。

3 免疫力の向上

梅干しはビタミンEを豊富に含んでおり、風邪の予防や免疫力の向上に役立つとされています。ビタミンEには抗酸化作用もあるので、老化防止にも効果的です。さらに、梅に含まれる梅ポリフェノールは、インフルエンザウイルスを抑制するという研究結果も明らかになっています。

4 骨の老化の防止

クエン酸がカルシウムの吸収を助ける役割を果たします。よって、骨密度の維持や骨の老化防止にも効果的です。

5 肝臓や臓器への効果

クエン酸は肝臓でのアルコール分解を助け、肝臓に負担をかける物質の排出を促進。肝臓の健康、肝機能の向上に役立つとされています。

※健康効果は適切な量(1日1〜2個)を食べた場合のもので、食べすぎはクエン酸やカリウムの摂取過多などが起こり、逆効果になる可能性があります。

美肌、ダイエット、脂肪燃焼…

梅によって得られるうれしい効果はまだまだあります。


『まいにち梅づくし生活 - 120年続く梅農家が教えたい -』(著:山本 将志郎/ワニブックス)

美肌効果

梅干しに含まれるクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、ミネラルといった栄養素は、美容にも良い影響をもたらします。ビタミンCとクエン酸の抗酸化作用が肌の老化を防ぎ、美肌を保つ効果が期待できるのです。

これには、梅干しを食べる時に分泌される唾液もポイント。梅干しと、唾液で食中毒菌を殺菌する二重の働きによって「美肌効果」が得られるというわけです。

梅の製造所へ見学にいらっしゃる人が、「みなべ町の人は、肌がきれいですね!」とよく声をかけてくださるのですが、それがただの“お世辞”という頻度ではないのも、こうした梅干しの「美肌効果」が関係しているのかもしれません。

ダイエット効果

冒頭で述べた通り、梅には腸内環境を整える効果があります。実際、梅酢を毎朝摂っているというお客様や友人から、「とにかく便通が良くなった」という声をいただいており、効果を実感させられる場面が最も多い梅の効能かもしれません。この腸内環境の改善はダイエットを支える重要な要素でもあります。

脂肪燃焼効果

また、梅干しに含まれるバニリンには、脂肪燃焼効果があるとされています。小腸から吸収されたバニリンが脂肪細胞に直接刺激を与え、脂肪燃焼を促してくれるのです。

ちなみに、和歌山県紀南地区に住む女性201人を対象にした調査では、なんと、梅干しを毎日食べている人は食べていない人に比べてBMI値が低いというデータもあるほど。

とはいえ梅干しを1回食べただけで効果が出るわけではないので、食生活の見直しと合わせてダイエットを行なうことをおすすめします。

健康効果をアップする食べ方とは…

僕はよく、梅干しを焼いて食べています。


加熱で栄養価がパワーアップ!(イラスト:佐々木一澄)

驚かれるかもしれませんが、梅農家では珍しくない食べ方です。

なぜなら、加熱することでバニリン(脂肪燃焼促進)とムメフラール(血液サラサラ)という2つの成分が増加(生成)され、健康効果がパワーアップするからです。

加熱後は冷蔵しても栄養価は減らないので、まとめ焼きがおすすめです。

また、個人的に夕食時に梅干しを食べることが多いのですが、朝食や運動前に食べると疲労の蓄積防止、疲労を感じた時に食べると疲労の軽減効果が期待できます。

次回は梅仕事の基本である、「完熟梅」の選別についてご紹介いただきます。