国会議事堂

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 衆院憲法審査会は12日の幹事懇談会で、憲法改正を巡る緊急事態条項のイメージ案を示した。

 大災害など緊急時の国会議員任期延長や、内閣による緊急政令の制定が柱だ。与野党は14日に開かれる審査会でイメージ案に関する議論を行う。

 イメージ案は衆院法制局と審査会事務局が作成し、非公開の幹事懇で示した。与党はこれを議論のたたき台に、改憲条文案の起草につなげたい考えだ。

 判明したイメージ案では、議員の任期延長が必要となる緊急事態として、〈1〉大規模な自然災害〈2〉感染症の大規模な蔓延(まんえん)〈3〉内乱などの社会秩序の混乱〈4〉武力攻撃〈5〉これらに匹敵する事態――を挙げた。

 これに該当する場合、内閣が国会の事前承認を得て「選挙困難事態」と認定し、議員任期延長が可能となる。自民、日本維新の会、国民民主、公明の4党などが2025年6月にまとめた憲法改正の骨子案を踏まえた内容だ。

 選挙の実施が困難な地域の範囲や期間を認定する具体的な基準については、「様々な議論がある」ことも記した。任期延長期間の上限に関しては、1年や6か月という意見があることにも触れた。

 衆院解散後に緊急事態が起きた場合の対応も明記した。現行の54条を改正し、「総選挙の一体性が害されるほど広範な地域において、解散の日から40日以内に適正に総選挙を実施することが困難」な場合に、選挙を延期できるとした。

 国会でのオンライン審議の項目も盛り込み、憲法56条を改正し、「議員が議場に参集することが困難」な場合は実施が可能とした。法律と同等の効力を持つ内閣の緊急政令は、「国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情がある」場合に制定できるとした。国会の事後承認を「求めなければならない」とも明記した。

 自民の新藤義孝・与党筆頭幹事は幹事懇後、イメージ案について「今後の議論の非常に良い土台となり、さらに議論を深められるのではないか」と記者団に語った。