【ヴィクトリアM】不惑の津村が再び大仕事狙う 24年に単勝200倍超の大穴V 今年の相棒はニシノティアモ
「ヴィクトリアM・G1」(17日、東京)
不惑の年に、充実の春を迎えている。津村明秀騎手(40)=美浦・フリー=は今年、ここまで重賞5勝。年始の中山金杯をカラマティアノスで制すと、翌週のフェアリーSもブラックチャリスでV。2月以降も勢いは止まらず、共同通信杯をリアライズシリウス、スプリングSをアウダーシア、京王杯SCをワールズエンドで制した。昨年マークした自己最多の年間4勝を、5月の時点で更新している。
今年の重賞5勝には、一つの共通点がある。津村は明かす。「今年の重賞勝ちは全部タイム差なしなんです。だから、ちょっと間違えたら全部勝っていない。そこをとらえているのが大きい」。勝敗を分ける紙一重の勝負をモノにしているからこそ、数字は積み上がっている。その理由を聞いても「何なんですかね。ミスってることも全然ある」と笑うが、頭差、首差を確実に勝ち切れていることが、今の流れの良さを物語っているのは間違いない。
何かを劇的に変えたわけではないという。「自分で何かを大きく変えたということはないです。やり続けてきたことが、ようやく身になってきたのかなと。何でもかんでも変えればいいわけではないですし、変えないことも大事だと思っています」。以前から騎乗技術への評価は高かった。それがようやくかみ合い始めたのかもしれない。
今春はG1でも有力馬にまたがる機会が増えた。皐月賞では4番人気のリアライズシリウスで2着に入り、31日にはダービーも控えている。「毎週のように乗せてもらえるのはうれしいですね。毎週気が抜けないし。今まで気を抜いてたわけではないですけど(笑)。ケガと騎乗停止にだけはならないように、頑張ります」。好調を自覚しながらも、口ぶりはあくまで慎重。浮かれることなく、目の前の一鞍に向き合っている。
今週は思い出深いヴィクトリアMがある。2年前、テンハッピーローズとのコンビで単勝208・6倍の14番人気という低評価を覆し、待望のG1初制覇を飾った舞台。今年のパートナーは福島記念覇者ニシノティアモだ。「チャンスがあると思って挑める。楽しみ」。テンハッピーローズの時も、1年前の夏から翌年のヴィクトリアMを意識していたという。ニシノティアモについても、「(3走前の)甲斐路Sを勝った時が強くて。福島で勝ってはいるけど、東京の方が明らかにパフォーマンスがいい。左回りの方がバランスがいい。その時からヴィクトリアMを目標にしたいと思っていた」と振り返る。
紙一重を勝ち切る感覚を武器に、今年も思い出のマイルG1へ−。充実の春を迎えた津村が、府中の長い直線で再び大仕事を狙う。(デイリースポーツ・刀根善郎)
