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先日、劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』を見てきました。AI搭載の白バイと、謎の黒づくめのバイクが出てくるミステリー仕立てなんですが、バイクチェイスは激しいし、クライマックスはド派手だし、まぁ、相変わらずの劇場版コナンっぷりで、大変おもしろかったです。

おもしろいと感じただけでなく、なんか、『名探偵コナン』シリーズのすごさを見せつけられました。だって、原作漫画が開始したのは1994年なのに、今なお当時の設定を生かしたまま愛され続けているってすごいことですよ。

コナンが長期に渡って愛されるコンテンツになった要素の一つは、テクノロジーのヘビーユーズとキャッチアップ力にあるんだろうなって思うんですよ。

最新テックに注目すれば物語が膨らみやすくなる

『名探偵コナン』の主人公 江戸川コナンは、高校生探偵の工藤新一の仮の姿です。彼は、闇の組織の人間によって体が縮む薬を飲まされてしまったため、体は子どもでありながら頭脳は大人のまま。そんな彼は、体の小ささをカバーするために、近所に住む発明家によるオーダーメイドガジェットを駆使しています。キック力増強シューズや伸縮サスペンダー、ターボエンジン付きスケートボード、犯人追跡メガネなどを使って、効率よく追跡したり、腕時計型麻酔銃と蝶ネクタイ型変声機で謎解きの説得力を持たせたりしています。

自分に足りないものはテクノロジーの力を最大限活用する設定は、現実に存在する新作ガジェットやテックのコンセプトを積極的に受け入れ、活用するスタンスにつながっていきました。つまり、原作1話から、物語をいくらでもアップデートできる構造ができていたんです。

劇場版が作られるにあたり、テックはシリーズの要へと解釈されるようになったと思います。2002年に公開された『名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊』では、人工知能が支配するVRの世界が描かれていますし、2006年の『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』ではスマートウォッチの前身のようなものが登場します。2021年の『名探偵コナン 緋色の弾丸』では真空超電導リニアが物語の鍵を握りました。2023年の『劇場版 名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』は顔認証システム、2025年の『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』では、移動観測車や巨大パラボラアンテナ、さらに人工雪崩発生用音響装置が登場します。

これだけでなく、殺人バクテリアや、電子武装されたハイテク艦が登場する作品もありましたね。最新作の『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』にはAI搭載白バイが登場しますが、作中では、自動運転技術はどのレベルまで開発が進んでいるのか、完全自動化運転が完成した先にはどんな活用法が考えられるのかと語られていました。

『名探偵コナン』は完成度の高いOSだ

もちろん、最新テックを入れればヒットするってわけでもありません。同シリーズがおもしろいのは、最新テックやガジェットを、いつものメンバーやいつもの設定の中に放り込むことで化学反応を生んでいるところです。

江戸川コナンをはじめとするお馴染みのメンバーの設定は基本的に変わりません。何十年経っても、同じことをして、同じようなセリフを言っています。展開が読めるのが楽しいし、圧倒的な安心感を与えてくれます。それに、シリーズものでありながら1話完結だから、すぐにキャッチアップできるお手軽さも最高なんですよね。

変な例えかもしれませんが、『名探偵コナン』の設定は完成度の高いOSのようなもので、毎年公開の劇場版はソフトウェアアップデートみたいに感じています。

『名探偵コナン』が、こんなにも計算された設定だったなんて。それを見せつけられた今、青山剛昌先生の先見性の高さにひれ伏したい気持ちになりました。現在公開中の最新作も、かなりおもしろいので、テック好きとして要チェックだと思いましたよ。

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