BTS効果? 韓国の3月旅行収支が11年4カ月ぶりに黒字…経常収支は歴代最大黒字
韓国の今年3月の旅行収支が11年4カ月ぶりに黒字に転換した。グループBTS(防弾少年団)の公演に春の旅行シーズンが重なったおかげだ。半導体の輸出が増え、商品収支の黒字も歴代最大を記録した。経常収支は35カ月連続で黒字を維持した。
8日、韓国銀行(韓銀)は3月の経常収支が373億3000万ドル(約5兆8540億円)の黒字と集計されたと発表した。前月(231億9000万ドル)に記録した黒字の新記録をわずか1カ月で塗り替えた。35カ月連続の黒字であり、2000年代に入って2番目に長い記録だ。経常収支とは、一国が商品・サービスなどを他国と取引して実質的に稼いだ指標だ。黒字が続いているのは、それだけ外貨獲得が順調であることを意味する。
経常収支の黒字額を押し上げた主役はやはり商品の輸出だ。商品輸出額から輸入額を差し引いた商品収支は350億7000万ドルの黒字で、歴代最大値を記録した。輸出額が943億2000万ドルで前年比56.9%増となり、商品収支の黒字幅を拡大させた。半導体やコンピュータ周辺機器などの情報技術(IT)品目の輸出好況が黒字を牽引(けんいん)した。非IT品目の輸出も増加した。石油製品の価格が上昇したうえ、操業日数も前月に比べて増加した影響だ。
3月の輸入も半導体や二次電池用の原材料など化学工業製品を中心に前年比17.4%増えた。ただし、輸入額は592億4000万ドルで、輸出額に比べて大幅に少なかった。戦争による原油価格高騰は3月の輸入額にはあまり反映されなかった。輸送のタイムラグにより、戦争前の価格で契約した物量が取引されたためだ。
旅行収支の改善も目立った。3月の旅行収支は1億4000万ドルの黒字となったが、黒字転換は2014年11月(+5000万ドル)以来、136カ月ぶりのことだ。
旅行収支は今年も1月と2月にそれぞれ12億6000万ドル、17億4000万ドルの赤字を記録するなど、慢性的な赤字が続いていた。外国人観光客の客単価は低下する一方で、韓国人の海外旅行支出は大きく伸びているためだ。それが3月、BTS(防弾少年団)の公演をはじめとする、いわゆる「Kカルチャー効果」で旅行収支が黒字に転じた。韓国法務部によると、3月の外国人入国者は211万1658人で、前月比40.4%、前年比26.5%増加した。月間の入国者が200万人を超えたのは、関連統計の集計開始以来初めてだ。
中東戦争の長期化で航空運賃が上昇し、世界的に旅行需要そのものが縮小する可能性がある点は今後の変数だ。韓銀のキム・ヨンファン経済統計1局長は「最近、明洞(ミョンドン)通りなどに来る外国人観光客が引き続き増えるなど、現在のところ(旅行収支の黒字が)単発的な現象には見えないが、今後の推移は見守る必要がある」と説明した。一方、旅行収支にその他事業サービス収支などを含めたサービス収支は12億9000万ドルの赤字と集計された。研究開発など事業サービスの対価支払額が増えたためだ。
4月からは中東戦争の余波が本格的に経常収支に反映される可能性が高い。原油導入単価は3月には1バレルあたり75.4ドルだったが、4月には112.3ドルと45%急騰した。ただし、価格が大きく上昇しても、ホルムズ海峡の物流支障で輸入物量自体が減少すれば、輸入額の増加幅が予想より小さくなる可能性がある。国際原油価格の上昇傾向が韓国国内の石油製品の輸出価格も押し上げ、輸入増加幅を一部相殺する側面もある。キム局長は「今のところ戦争の影響が半導体輸出の好調な流れよりも目立ってはいない」としながらも、「エネルギー価格の上昇が長期的に持続すれば、年間の経常収支には下押し圧力として作用するだろう」と見通した。
3月の金融勘定純資産(資産−負債)は369億9000万ドル増加した。このうち、外国人の国内株式投資の減少幅は293億3000万ドルで歴代最大を記録した。中東地域のリスクとメモリー需要減退の影響だ。韓国人の海外株式投資規模は39億4000万ドル増えたが、米国証券市場が調整局面に入り、純買い越し規模は前月より縮小した。
