大接戦を制したクロワデュノール。右奥は2着のヴェルテンベルク(撮影・中田匡峻)

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 「天皇賞(春)・G1」(3日、京都)

 息をのむゴール前の攻防。内で粘り込む1番人気のクロワデュノールに、大外から襲いかかった12番人気ヴェルテンベルク。10分を超える写真判定の結果、推定2センチの差でクロワデュノールに軍配が上がった。大阪杯からの連勝で、16&17年覇者キタサンブラックとの父子制覇を達成するとともに、G1タイトルの数を4に伸ばした。2番人気のアドマイヤテラが3着に入り、連覇を狙った昨年覇者ヘデントールは5着に終わった。

 これがダービー馬の意地だ。1番人気のクロワデュノールが好位追走から直線で堂々と抜け出すと、大外から強襲してきたヴェルテンベルクを鼻差で退け、G14勝目を挙げた。大阪杯からの連勝は17年の父キタサンブラック以来で、ダービー馬による春盾制覇は07年メイショウサムソン以来。底力で記録ずくめの勝利をもぎ取った。

 「ホッとしました。初めての距離で(坂を)上がって下るコース。しっかり折り合えるのかという不安は正直ありました」。主戦の北村友は安どの表情を浮かべつつ、偽らざる本音を吐露した。

 人馬一体の絆で、その不安をはねのけた。絶好のスタートから最初の下り坂こそ少し力んだが、1周目の直線で好位のインに収まると「少し(ハミが)抜けてくれました」とリラックス。そのまま折り合って2度目の下り坂から徐々に進出し、「馬の力を信じて」スパート。最後の直線では早々と先頭に立ちライバルの目標になったが、それでも「総合力、機動力、底力」の三拍子の強みで押し切った。

 写真判定は10分以上。判定結果は父キタサンブラックが16年にカレンミロティックを差し返した4センチ差より、さらに接戦となる推定2センチ差。「少し脚が上がっていたし、もしかしたら負けているとも思いました。あれだけの接戦。タイミングひとつだったので運もありました」と主戦が喜びをかみしめれば、斉藤崇師は「在厩での2戦目は国内では初めてでしたが、返し馬のバランスは前走よりも良かったです。人気をしていましたし、期待に応えられて良かった」と胸をなで下ろした。

 今後については「3200メートルを走ったばかりですし、まずは馬の様子を見てから。ただ、これだけの人が応援してくれる馬。期待に応え続けられたら」と指揮官。次戦は父が成し遂げられなかった春の古馬3冠コンプリートか、それとも再び海を渡るのか。淀の長丁場という未知なる挑戦もクリアしたクロワデュノールには、無限の可能性が広がっている。