「お茶摘み」「葬儀でお祈り」「動物園でエサやり」…中国の最新鋭ロボットが「ちょっとヘン」なワケ
なんでその仕事に?
カチカチ、カチカチ、カチカチ……。
手ぬぐいをかぶったロボットが、凄(すさ)まじい勢いで茶葉を摘(つ)んでいく。その速さは人間の倍以上。あっという間に作業を終えたロボットは、茶葉を入れた竹製のカゴを首から下げ集積所に運んだ。
「茶摘みロボットは、浙江理工大学や重慶郵電大学などが5年の歳月をかけ開発しました。膨大な量の茶摘み映像を学習させ、一つの茶葉を1〜2秒の速さで正確に枝から切り取ることが可能になったんです。でも、お茶摘みが1台数百万円もする最新鋭ロボットのすべき作業なのか……疑問です(笑)」(中国在住ライター)
中国は人型ロボットの最先進国だ。中国政府は、3月に採択した「第15次5ヵ年計画」で「身体性人工知能の開発」を重要事項に掲げている。’25年の人型ロボット市場は1600億円にのぼり、世界で稼働する身体性人工知能の半分が中国製となった。ところが――。
掲載した写真のように、最新鋭ロボットに与えられた仕事は「ちょっとヘン」。葬式でお経を読みながら故人を悼(いた)み、人間と同じ制服を着用して交通整理、動物園ではかわいいコスチュームを着てキツネザルへエサやり。近未来を担うAI搭載ロボットには、もっと別の役割があると思うのだが……。中国人ジャーナリストの周来友氏が解説する。
「もちろん再生可能エネルギー研究など、最新ビジネスにもロボットは活用されています。一方で『なんでこの仕事に?』と疑問を持たれてもおかしくない使われ方もしている。背景にはロボット事業を支援するため、中国政府が用意した21兆円もの基金があります。高額な補助金ほしさに、お茶農家や葬儀社など、これまでロボットと関係のなかった業界まで開発に乗り出しているんです」
いまや中国では生身の人間は脇役となり、あちこちで人型ロボットが目につく。トイレ掃除や駅前の露店での雑貨販売にまで最新技術が投入され……シュールな光景が日常となりつつある。
『FRIDAY』2026年5月1・8日合併号より
