ランチを断ることから始める! 自分の気持ちを優先することが心を軽くする【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】
自分の気持ちを優先することが心を軽くする
ここまで、私たちがどれほど自分の本音にフタをして、建前の自分で生きることに慣れてしまっているかをお話ししてきました。私たちは幼い頃から、「泣いたらダメ」「怒るのはよくない」「我慢しなさい」「相手を大事に」と教えられて育ってきたのではないでしょうか。
家庭や社会生活において周囲と協調することは重要です。しかし、自分の本音は二の次にされて、自分軸より他人軸で生きることを強要されると、自分の境界線は弱くなり、ストレスで徐々に心と体のエネルギーを失っていきます。
自分の本音を押し殺し、周囲の期待や要求に応え続けることは、「いい人」や「優しい人」に見られます。しかし、仮面をかぶり本音を隠したその裏には、不満やストレスが蓄積し、マイナスの一次感情が渦巻いているはずです。
自分の気持ちを優先するのは、わがままではない
自分の気持ちを優先する自分軸は、「わがまま」「自己中心的」だと、罪悪感を抱く人もいるかもしれません。しかし、自分軸は自分の本音(一次感情)に気づき、「自分がどうしたいのか」に焦点を当てている状態。一方「わがまま」は自分の思い通りにするために相手をコントロールする状態。つまり、自分と他人を分けて境界線を保っているかどうかの違いです。
人間関係において、自分を傷つけてくる嫌な人からは離れてもよいのです。私たちは、嫌な人と無理して付き合う必要はありません。ストレスを感じて心が消耗する環境や、一緒にいると自分らしさを否定されたり、攻撃される相手とは、物理的・心理的に距離を置くことが大切です。
自分軸や境界線が弱い人は「離れたら相手がかわいそう」「関係を切ったら自分が孤立してしまう」といった不安や恐怖から、理不尽で不健康な関係を続けてしまいがちです。
まずは、小さなことから、自分の本音を優先し、自分軸をつくる練習をしてみましょう。ランチのメニューを選ぶとき、相手の好みに合わせるのではなく、「自分は何が食べたいか」で決めてみる。週末の誘いに対して、少しでも「疲れているな」と感じたら、「ごめん、ゆっくりしたいから」と勇気を持って断ってみる。こうした小さな本音の選択の積み重ねが、「自分の気持ちを優先しても大丈夫だ」という自分軸を育ててくれます。
あなたが自分の本音を優先し、自分の心を満たすことができれば、相手のことも尊重することができます。自分のコップの水が空っぽの状態で、他人に水を分け与えることはできません。まずは自分のコップをきれいな水(安心感、喜び、幸せ)で満たすことです。
本音で生きると自分の心に余裕が生まれます。そして、心と体のエネルギーが満ちた状態になってはじめて、私たちは心からの優しさと思いやりを相手に向けることができます。
自分の本音を優先することは、あなたの境界線と自分軸を育て、相手にもよい影響を与える、大切なステップなのです。
POINT
自分の気持ちを優先することは、わがままではなく自分軸をつくること。
小さな「自分優先」の選択を積み重ねよう。
【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄
【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。
