その時、サレ夫はどう生き直すのか――イカレた妻の不倫に絶望し、復讐を決意した夫が辿り着いた答え【書評】

【漫画】本編を読む
配偶者の不貞を知ってしまったとき、人はどこまで壊れていくのか。『妻が鬼畜不倫、僕は復讐することにした』(ガマ太郎/KADOKAWA)は、タイトルのインパクトそのままに、妻の裏切りと夫の復讐を生々しく描いた物語だ。
美人の妻とふたりのかわいい娘たちに囲まれた、どこから見ても幸せな家族。物語の語り手は、ごく普通のサラリーマン・太郎だ。ある日、化粧バッチリで仕事へ行き、帰宅時間も遅い妻・花の行動に違和感を覚えた太郎は、彼女のスマホのロックを解除してSNSをチェックする。すると、そこには紛れもない浮気の証拠が残されていた。
そして、本作で描かれる「復讐」は、おそらく想像するものではない。こうした物語ではしばしば、主人公が溜飲を下げる「ざまあ展開」が描かれることが多いが、太郎の復讐は、自身の選択が正しいのか葛藤しつつも、「人生を前に進めること」を目的としている。単なる怒りの発露や相手側を完膚なきまでに打ちのめすだけではない、新たな復讐のかたちを描いているのだ。
本当の復讐とは、不貞の配偶者に抱いた複雑な心境とその苦しみから自分を解放し、安らぎの境地に達することなのかもしれない。不倫ものというジャンルにとどまらず、人間の心の傷と再生の物語としても、示唆の多い作品だ。
文=宇田 勉
