だったら、そのまま禁煙すればいいのだが、やはりタバコを吸わなければ、1日中吐き気が止まらず、落ち着きもなくなるため、無理にでも吸う必要があったのだ。

ここまでくるともう「タバコおいしい!」なんて思うことはなくなった。義務のように吸っていたため、「不便な体になったな」と感じる始末だ。血中のニコチン濃度が一定以下になったときにタバコを吸いたくなるはずである。それを朝の2本で済ませられるということは、一度に1日分のニコチンを摂取できたのだろうか……。

◆風呂場で仕事しながら水をがぶ飲み、そして一服

こうして、タバコを吸うことが楽しくなくなった筆者は、喫煙者なのに飲み会でもタバコは吸わなくなり、むしろ喫煙者の副流煙に腹を立てる始末だ。勝手な話である。

しかし、相変わらずタバコを吸わないと朝は前日の酒が残っているせいか、体は熱っぽくなり、吐き気を催す。それを解消するために、タバコを連続で2本吸っていた。

そして、新型コロナウイルス感染症の世界的流行で会社にも行けなくなり、木造アパートの1階の自室で仕事をするようになる。

そうなると、早起きの必要も、人の目を気にして生きる必要もなくなったため、昼に起き出して深夜まで仕事をし、終わったらストロング系を5缶飲み干して昏睡状態に陥り、翌日はまた昼過ぎに起きる生活に変貌した。

ただ、テレワークへの切り替えは突然のことだったため、筆者の部屋にはちゃぶ台しかなく、その高さでパソコン作業はできなかった。そこで、風呂場の割と深めのバスタブにお湯を張らずにクッションを敷いて着衣のまま入り、風呂ふたを机の代わりにして仕事をしていた。

そして、作業をしながら、水をがぶ飲みして喉を潤してタバコを吸う。タールは8mgと重かったせいか、吸っている途中に嗚咽が止まらなくなる。

しかも、以前は2本で済んだタバコの本数も徐々に増えていき、結局5本吸い切らないと体調は元に戻らなくなった。それでも、タバコを連続で吸いながら水を飲めば、体からアルコールが抜けていく感じがしたのだ。

吸い殻は水の溜めた焼酎の瓶の中に捨てていき、いっぱいになってもすり潰すように、吸い殻を瓶の中に押し込んだ。時間をかけてゆっくりゆっくり、作業をしながら夕方になるまでに5本吸い切った(吸うときは早い)。

ちなみに、なぜ風呂場で吸っていたかというと、部屋に匂いがつかないのと、窓が付いていからだ。「それはそれで、近所迷惑では?」と思うかもしれないが、コロナ禍に突入して住人のほとんどが在宅勤務になった途端、アパート全体がタバコ臭くなったので問題ないのだ。多分、喫煙者ばかりが住んでいたのだろう。

◆引越しを機に電子タバコデビュー…あっさり前言撤回

そんな生活を1年近く続けていたのだが、築40年の木造アパートに急にネズミが出るようになったため、退去を余儀なくされる。そこで、転職をしたばかりの妹とファミリータイプのマンションで暮らすことになった。

「家賃折半で今よりもいい部屋に住めるんだからいいじゃない」と思われるかもしれないが、マンションは基本的に「禁煙」である。最良の提案だし、今の部屋から出ていかざるを得ないのだが、入居予定のマンションはベランダでタバコを吸うことも禁止されていたため、「嫌だ、嫌だ」と騒いでしまった。完全に「ヤニカス」である。

それと、これは筆者だけかもしれないが、タバコを吸っている姿を家族には見られたくないのだ。なんだか、後ろめたい気がする(酒は別にいい)。

仕方がないので中国製の「空気清浄搭載の喫煙用マスク」という、『東京喰種トーキョーグール』の主人公が付けている拘束具のような商品の購入も本気で考えた。しかし、レビュー欄は散々だったため、買うのもバカらしくなってやめた。