推奨は初期療法として、花粉飛散の1〜2週前から医師指導のもとで薬を服用し、シーズン中は症状が軽くても定期的に飲み続けることだ。これでピーク時の症状を大幅に抑えられるという。市販薬の使用時は種類を一本に絞り、用法用量を厳守。点鼻薬の血管収縮スプレーは連用しないようにし、長引く鼻づまりはステロイド点鼻薬など医師に相談して、根本的に炎症を抑える治療を選んだ方が良い。

「そのほかセルフケアとして、鼻の中や周りにワセリンを塗る方法もあります。鼻腔入口に薄く塗れば花粉を絡め取って吸入を減らせるとされ、安全性も高いです。鼻をかむときは片方ずつ優しく行い、決して強くすすらないようにしましょう」

◆「コレだけで一発OK!」などの情報はまず疑うべき

飯島院長の語る花粉対策は、医療現場からプロの目線で花粉症を見続けてきたことで培われたものだ。一方、花粉症対策についてはTV・雑誌・ネット・SNSなどで、膨大な情報が日々氾濫しています。これらを参考にする際の注意点や見極めポイントなどを聞きたい。

「テレビやネットの花粉症対策情報は玉石混交で、正確な割合を示すのは難しいですが『半分近くは科学的根拠の乏しい』という専門家の指摘もあります。「○○の食品を食べると花粉症が治る」「△△のサプリを飲めば症状が出ない」等の謳い文句は往々にして根拠薄弱で、一時的なブームに終わるのも多いのが現状です。マスメディアやSNSでは話題性優先でセンセーショナルな内容が取り上げられがちですが、鵜呑みにするのは危険です。

こうした情報を参照する注意点は、情報源の信頼性だ。公的機関や専門医の発信か、不明確な肩書のインフルエンサーなのかで信憑性は大きく異なる。他にも(1) 医学的な検証結果やデータのエビデンスがあるか、(2)過剰に効果を謳っていないか、(3) 商品を売りたい広告目的の情報ではないかなどをベースに、なるべく正しい情報だけ取り入れるよう心がけよう。可能ならば掛かり付けの医者や専門家にも相談し、最終的には自分の目で確かめて判断する力(ヘルスリテラシー)が肝心である。

◆絶対NGの治療法は?

以上のように裏付けのない花粉症対策は危険なものだが、飯島院長が過去に見聞きした実例の中には「やらない方がいい」レベルを飛び超えて、「絶対やってはいけない」という禁忌例がいくつかあると言う。いずれも傍目には「何故やろうと思ったのか」と疑うものばかりなのだが……。

「まずは鼻腔に刺激物を塗る民間療法です。ネット上では『高濃度のハッカ油やメントールを直接鼻に塗布すると通る』といった情報もありますが、粘膜を刺激して一瞬スーッとするだけで、炎症が悪化したり鼻粘膜を傷めてしまいます。他にも唐辛子スプレーやお酢を染み込ませた綿を鼻に入れる等、民間で囁かれる荒療治は粘膜をただ刺激するだけ。絶対に真似してはいけません!」

実例として、メントール系軟膏を鼻孔に塗って逆に鼻内がただれたケースや、民間療法の点鼻液で鼻粘膜が傷つき、激痛と鼻血が出た例もあるという。鼻粘膜はデリケートなので、正式に認められた医薬品以外を入れるのは避けよう。

「また、『シーズン前にステロイド筋肉注射を一本打てばシーズン中楽になる』とも言われていますが、重篤な副作用リスクが高いのでやめてください。一時的に症状は抑えられますが、体内で長期間ステロイドが作用する結果、糖尿病悪化・感染症・骨粗しょう症・ホルモン異常・大腿骨頭壊死など将来的な重大リスクが上がります」

これはいわゆる「ケナコルト注射」と呼ばれる方法で、「一度かかるとやめられない」「副作用で生理が止まった」等の報告もあので、安易に手を出すべきではない。医師から提案があったとしても、将来の健康を考えて慎重に判断してほしい。