「全く論外なものとしては、『根性で治す』としてマスク無しで高濃度の花粉を浴びに行くのも自殺行為。当然ながら症状が悪化しますし、アナフィラキシーショックなど激しい反応が出る危険もあります。近年は考えにくいですが、過去に『山に行って花粉に慣れろ』など誤った根性論も蔓延っていたようです」

これらはいずれも「即効で治したい、治そう」という気持ちにつけ込む危険行為、悪魔の誘いである。花粉症対策に近道や奇策はない。地道でも安全性が確認された正攻法で症状改善を図ることが大切である。

◆なるべく花粉に触れない&早めの治療が大事

飯島院長は花粉症対策について、「花粉を入れない・落とす・溜めない」「早めの初期療法」といった身近で基本的な対策こそが、最も効果的だと繰り返し強調している。

花粉症対策の基本は『花粉を体内に入れない』こと。上述のように身体の付着花粉に注意するほか、床に落ちた花粉もこまめに拭き、空気清浄機や換気で室内に滞留させないなど、『入れない・落とす・溜めない』の徹底で花粉に触れる機会自体を減らしましょう。飛散が多い日は無理な外出を控えるなど生活パターンも工夫し、花粉予報で「今日は多そうだ」と分かれば洗濯物は部屋干しにするなど先手を打つことも大事です」

また、初期療法については、厚生労働省のガイドラインで「スギ花粉飛散の約1週間前、遅くとも症状が少し出始めた時点で治療開始」が強く推奨されている。例えば抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬を飛散前から継続投与すると、シーズン中のくしゃみ・鼻水の程度が明らかに軽減するという。

「初期療法により日常生活の質(QOL)が向上したとの報告もあります。反対に治療開始が遅れると炎症が広がって薬が効きにくくなるため、「花粉かな?」と感じたら早めに受診して対策を始めることが大切。初期療法は花粉症の先手必勝策とも言え、結果的に少ない薬量で快適に過ごせる有効な方法です」

花粉症対策も通常の健康対策と変わらず、今後の状況を早い段階で見越しつつ、普段から小さな工夫と心がけを積み重ねることが結果的には近道ということだ。まずは適切なマスクの用意など、簡単にできる所から始めてみよう。

<取材・文/デヤブロウ>

【デヤブロウ】
東京都在住。2024年にフリーランスとして独立し、ライター業およびイラスト業で活動中。ライターとしては「Yahoo!ニュース」「macaroni」「All Aboutニュース」などの媒体で、東京都内の飲食店・美術館・博物館・イベント・ほか見所の紹介記事を執筆。プライベートでも都内歩きが趣味で、とりわけ週2〜3回の銭湯&サウナ通いが心のオアシス。好きなエリアは浅草〜上野近辺、池袋周辺、中野〜高円寺辺りなど。X(旧Twitter):@Dejavu_Raw