Image: Wes Davis/Gizmodo
Netfear最新のモバイルWi-Fiルーター。高価だけど、ホテルのWi-Fiより断然いい

ホテルでもカフェでも、接続が弱いときにはスマホのテザリングが便利。でも「バッテリー減るのが心配」というのなら、ポケットサイズのWi-Fiルーターがあると安心です。

今回使ったのは「Netgear Nighthawk 5G M7ポータブルWiFiホットスポット(eSIM付き)」(以下「Nighthawk M7」)。2022年にテストした前モデルのM5と同じく、出先でつなぐことが多い人は十分「元の取れる」ガジェットです。

価格は500ドル(約7万8000円)で、Netgearの製品にしては安め。

住宅用ルーター上位モデルに比べたら接続性能は劣るけど、Wi-Fi強度は充分だし、こんなにちっちゃいの1台で安定した接続を探す手間から解放されるのはありがたいですよね。

Netgear Nighthawk 5G M7

これは何?

手のひらサイズのモバイルWi-Fiルーター。出張も旅も安心。

価格

500ドル(約7万8000円、日本市場価格不詳)

好きなところ

携帯性に優れているWi-Fi 7の高速通信簡単に使える通信会社のロックなし物理SIMとeSIMの両対応携帯電波が届かない場所でも強度抜群

好きじゃないところ

高級ホームルーター並みの高い価格ミリ波に対応していない5G接続速度がスマホより遅め

スマホ風の見た目に機能は山盛り

Wi-Fi 7対応。バッテリー持ち最大10時間。一度に32台までつなげるので、家族や団体旅行のときもこれ1台で間に合いそう。

Wi-Fiを飛ばすモバイルルーターは数あれど、Nighthawk M7は何しろこのサイズ感が出色です。縦14.5cm×横8.4cm×厚さ1.7cmで、ゴツめのカバーかけたスマホぐらいの大きさ(TP-Linkもやや縦横短くて厚みのあるモバイルWi-Fiルーター出してますけどね)。ノートPC用バッグに放り込んで、野外テストに出かけることができました。

見た目もスマホそのもので、ボトムには充電&データ転送用のUSB-CポートがあってノートPCにつなげられるし、USB-C-to-ethernet変換アダプタで有線ネット接続も可能。

バッテリーは交換不能で容量3,850mAh。

表面はガラス。上半分が2.4インチのディスプレイになっていて、接続中の端末の数や使用した通信データ量、ネットワーク名、パスワードなどが表示されます。表示の切り替えを行なうのは右端のiPhone風ボタン(電源ボタンもこのボタン)。右にはさらにSIMカード用トレイもあって、eSIMより物理SIMが好きな人にも対応しています。デュアルバンドWi-Fi 7(2.4Ghz/5Ghz)、Sub-6、Cバンドの5G周波数帯(ミリ波を除けば最速)対応。

スペック表を見ると、Nighthawk M7のWi-Fiスループットは「最大3.6 Gbps」とありますが、テストではそこまで出ませんでした。設定はNetgearのスマホアプリで行なえます。Wi-FiオフロードをON/OFFにしたり、NetgearのeSIM専用マーケットプレイスでeSIM購入できるほか、ネットワーク名やパスワードの変更、WPAセキュリティのバージョン切り替え、接続中の端末同士の隔離(みんなでシェアしているときは便利)といった操作が可能。

ポート転送ルールなどの詳細設定はブラウザで行なう感じですね(アプリから飛べます)。Asus製のルーターなんかに比べたらあんまり細かく設定できないけど、こういう設定は一度やったら二度と触らない人がほとんどだし、そういうタイプの人には充分かと。

気になる接続スピードは?

Image: Wes Davis/Gizmodo
表示切り替えボタンがiPhoneみたい

Wi-Fi 7対応を謳ってはいますが、Wi-Fi 7の全機能をカバーしているわけではないみたい。

数ギガビットのスループットを実現する320MHz帯域幅(Wi-Fi 7の目玉)も見当たらないし、2つの帯域幅を同時に使ってスループットを高めるマルチリンク操作(MLO:Multi-Link Operation)も確認できませんでした。まあ、Rtingsが報じたように、MLOを完全網羅するWi-Fi 7ルーターのほうが少ないのが現状なので、大した問題ではないのですが。

いずれにせよ、テストで使った通信プランでは5GHz帯域で使う80MHzチャネル帯域幅の上限までいくスループットは得られなくて、転送速度は700 Mb/sが限界でした(ネットワークテスト用ソフトのiPerfで有線接続のノートPCと無線接続のノートPCのファイル転送をシミュレートして得た数字。使ったアダプタはMSI Wi-Fi 7)。

Nighthawk M7の電波到達範囲は◎です。すぐそばで測っても、障害物のない4m以上先で測っても一緒の強度でした(約6m先の仕事部屋は壁、浴室、キッチンに阻まれてWi-Fiが届かない場所なので計測対象外)。

出先ではどうか? さっそく近所のカフェでiPhone 15 Proが加入しているAT&TのプリペイドのeSIMで比較してみました。

結果はスマホの5Gより弱くて、スマホからテザリング飛ばしてネットにつないだノートPCは下り300 Mb/s、上り5 Mb/sの転送速度なのに対し、Nighthawk M7は下り100 Mb/s 、上りも5 Mb/s未満といったところ…。家で計測したときには下りが約220 Mb/s、上りが18 Mb/s出ているので、そこまで遅く感じないんですけど、少なくともAT&Tの場合、混みあう場所ではeSIMが後回しにされてる印象です。

Image: Wes Davis/Gizmodo
スマホの5Gより接続スピードは遅め

レイテンシも高くて、大体300ミリ秒くらい。スマホのテザリングは60ミリ秒、家のWi-Fiは10ミリ秒なので、それに比べたら、だいぶ遅いです。Nintendo Switch 2の『マリオカート ワールド』はオンラインで遊べても『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』みたいな反応速度が重要なゲームがムリなのは、そのせいもあります。

もちろんスピードがすべてじゃないですし、地下室でつないだらiPhone 15 Proは電波全然飛ばなかったのに(下り6〜36 Mb/s、上りは1 Mb/s未満)、Nighthawk M7は下り90〜186 Mb/sという立派な数字。上りは苦戦しましたが、それでも2回のテストで1 Mb/sを記録してました。スロットリングの有無にかかわらずNighthawk M7のほうが明らかにベター。障害物に強いのはNighthawk M7なんですね。

その後はいろんなストレステストをしてみました。まずデスクトップPC+ノートPC3台+スマホ2台+Switch 2を同時につないで動画をストリーミングする(またはSwitch 2の場合はマリオカートワールドをプレイする)鬼のようなテスト。動画解像度はそれぞれ最高レベルに設定しましたが、バッファリングや画質が極端に落ちることもありません。

もっとも『マリオカートワールド』は高負荷なので、ほかのカートが脈絡なく現れたり、ぶつかってクラッシュするまでに1、2秒の間があったりと、ちょっと厳しかったけど、これは予想の範囲内。テストではNighthawk M7を別部屋に置いて、5Gだけでつないでたんですが、接続は問題なかったです(プリペイドのデータは10分も経たないうちに半分近く減ったけど)。

以上、使ってみて感じたのは「家のWi-Fiと変わりないな」ということ。スマホのテザリングは家のWi-Fiと明らかに違って、遅いしブチブチと接続が途切れたり全然つながらないときもあるので、これと同じことは言えません。

あとNighthawk M7、バッテリーもちはすごくいいです! これは不使用時に自動でスタンバイモードに切り替わってWi-FiもOFFになる仕様のおかげ(サイドのボタンを押すと、またつながる)。Netgearの説明では、1回の充電で最大10時間もつそうですけど、自分がスマホとノートPCを5Gで接続して測ってみたら8時間半といったところでした。有線接続を使ったり、Wi-Fiオフロードを使えば、もう少し長くもつのではないでしょうか。

ニッチなニーズがある人は買い

Image: Wes Davis/Gizmodo

「野良回線はセキュリティが心配」「スマホのテザリングじゃ心許ない」「もっとシンプルにつながるのがいい」──そう感じる人にはNighthawk M7はいい買い物です。特に自分みたいなテック系の人間やファミリーの団体行動には便利なトラベルコンパニオンと言えるでしょう。

家のWi-Fiと同じ名前とパスワードを割り付けておけば、ホテル客室にチェックイン後、ONにするだけでたちまち家族全員がネットにつながれます(アクティブなSIMかeSIMを入れてないとダメだけど)。 かなりの台数をつなげるので、仕事仲間とネットを共有できるのも強み。

もっとも「500ドル払う価値があるのか?」って聞かれたら、自分はNOなのですが。というのも、粗悪品というわけじゃないし、Wi-Fiホットスポットの役割りは立派に果たしているんですが、あちこちでネット環境が整備されてる今日、そこまで困ってる人もいないように思うんです。iPhoneでテザリング飛ばしてもダメなときも、そりゃありますが、そういうときにはあきらめちゃうし。そんなときに備えてNighthawk M7を普段から持ち歩く自分は想像できても、それにわざわざ500ドル払う自分が想像できないだけ。そんなこと言ったら、200ドル払うかも微妙です。

でもそれはあくまで自分に限った話。自分はスマートホームのレビューの仕事が多いので、あんまり外に出歩かないってだけのことであって、いつもカフェで仕事してる人や、職場や図書館でネットを共有してる人となれば話は別。いつも家族や友だち、同僚と安定した環境でつながっていられるなら多少の出費は厭わないと思います。Wi-Fiってつながらないと、もうそれだけで時間がただ無為に過ぎていきますからね。タイム・イズ・マネー。

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