ちゃんみな

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名物企画にスペシャルゲスト

 2月15日放送の「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)が、SNSを中心に大きな話題を呼んでいる。年に一度の名物企画「温泉同好会寒中水泳スペシャル」のスペシャルゲストとして、ラッパー・シンガー・プロデューサーのちゃんみな(27)が出演したのだ。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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【写真】タトゥーもちらり…ミニスカ、肩出しのド派手衣装のちゃんみな

 昨年デビューして大ブレークしたガールズユニット「HANA」のプロデュースでも知られる実力派アーティストが、過酷な極寒ロケに本気で挑む姿は大反響を巻き起こした。

 フィンランドの雪景色の中で待ち構えていたのは、椿鬼奴、オカリナ、ガンバレルーヤ(よしこ、まひる)の4人。そこへちゃんみなが颯爽と姿を現した。もともと番組のファンだった彼女は出演を熱望していたのだという。

ちゃんみな

 大物が出てくれたことを不思議がり、心配する芸人たちに対して、ちゃんみなは「遠慮されたら終わりだと思ってるんで」と言い切り、真剣にロケに挑むことを宣言した。

 最初のチャレンジは、凍った湖面の上でハンマーを使って足元の氷を崩し合う「寒中度胸試し」。足場の氷が割れると全身が冷水に沈んでしまうという、シンプルながら容赦ない企画だ。

 最初はちゃんみなとよしこが対戦して、よしこが湖に落ちる羽目になった。次のちゃんみなとまひるの戦いでは、双方が一歩も譲らない名勝負を展開。最終的には2人同時に湖へ落下することになった。

 湖から引き上げられたちゃんみなは「Fxxx」「Fxxx Yxx」と放送禁止用語をつぶやいた。もちろん放送上は音声加工が施されていたが、極限状況で思わず飛び出した「Fワード」は衝撃的だった。

 戦いを終えたちゃんみなは、一緒に湖に落ちたまひるの手を取り「誰も置いていかないよ」と、自身が手がけたオーディション番組「No No Girls」での名言を引用してふざけてみせた。体を張ったロケの最中にセルフパロディで笑いを取る心の余裕と頭の回転の速さに圧倒された。

女性芸人軍団は拍手喝采

 続いてのチャレンジは、湖の上に浮かぶ小さな足場にターザンロープで飛び移るというもの。5人中4人が無事に渡ったが、5人目が足場に乗ったところでバランスが崩れ、全員が湖に落ちる羽目になった。ここでちゃんみなが見せた行動が、さらなる盛り上がりを生み出した。

 現場にいた演出担当の長田ディレクターに「いきます?」と声をかけて、彼をチャレンジに引きずり込んだのだ。スペシャルゲストからの直接のご指名を断り切れない長田Dは挑戦する羽目になり、あえなく湖へ落ちていった。彼の演出でこれまで散々な目に遭ってきた女性芸人軍団は、拍手喝采で大いに盛り上がった。

 最後に行われたのは「FIRST TAKE」のパロディ企画である「寒中TAKE」。5人全員が金髪ロングヘア、赤リップのメイクからコスチュームまで「ちゃんみな」になりきった姿で、極寒の湖に浸かったまま代表曲「SAD SONG」を歌い切るという企画だ。全員で手をつなぎながら、それぞれのパートを振り分けて必死に歌う姿はそれだけで笑いと感動に満ちていた。

 見事にチャレンジは成功したものの、ちゃんみなは歌の途中で自分が笑ってしまったことに納得がいかなかった。彼女は自らやり直しを提案し、「今度は1人で歌いたい」と宣言した。

 5人で湖に浸かったまま、ちゃんみな1人が最後まで「SAD SONG」を歌い切った。極寒の中で一切手を抜かなかったその姿にはアーティストとしての意地とプライドが感じられた。

 明るさ、華やかさ、アドリブ力、コメント力、度胸、根性など、ちゃんみなのバラエティスキルは尋常なものではなかった。アーティストとして超一流でありながら、このままタレントになっても売れっ子になれるだろうと思わせるほどの実力を見せつけていた。

 その根本にあるのは圧倒的なサービス精神だ。目の前の人を全力で楽しませることにおいては、音楽もバラエティも同じ。今回の「イッテQ!」は、ちゃんみなというアーティストの底知れない魅力を、音楽ファン以外の層にも広く届けることに成功していた。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部