【政界】進退賭けて勝負に出た高市首相 選挙後のリーダーに課される日本再生
新進党結成時、公明はまずは衆院議員と改選が近い参院議員を先行させて新進党に合流させ、新党「公明」を立ち上げ、一時的に地方の議員と組織を残した。全面合流を避けたのは、当時、地方議会での自公連携と、統一地方選の公認作業が進んでいたことなどが理由だ。ところが新進党は党内対立により3年で解党。結局、合流しないまま新党「公明」は残り続け、その後の公明再結党の核となった。
全面合流へのハードルは高い。26年間続いた自公連立は地方議会での自公連携をさらに強まり、立民党内では公明への警戒感もくすぶる。各党の視線は中道の「今後」に注がれる。
自民幹事長の鈴木俊一は「新進党は3年、希望の党は選挙を終えてなくなった。中道という政党もこれからずっと存在し続けるとは思えない」と語った。国民民主の玉木は中道の現実路線を評価しつつ「中道がどういう形に今後なっていくのか見定めたい」と語った。
一方、中道は国民民主にも合流を呼びかけたが、同党は一線を画した。衆院選後も参院の与党過半数割れの不安定な状況は変わらず、国民民主の今後の動向も注目される。
高市は26日の党首討論会で、「連立政権は続かなければならない。国民民主には早くからプロポーズを送っている」と語りかけ、自維連立に加わるよう要請した。
高市は昨年末、玉木との間で「年収の壁」178万円への引き上げで合意し、「来年度予算案の年度内成立への協力」を確認した。だが衆院解散により、予算案の年度内成立は絶望的となった。「覚悟を決めて合意したものが実現できなくなったことを考えると、信頼関係は崩れているとは思わないが、揺らいでいる」。玉木は高市のラブコールに対し、慎重姿勢を示してみせた。
与党にも課題山積
与党にも不安材料が残る。維新代表で大阪府知事の吉村洋文は衆院選と同日選となる大阪府知事・大阪市長の出直しのダブル選に踏み切った。「大阪都構想」を問う3回目の住民投票を統一地方選に実現する思惑からだが、党内で激しい反発を受け、各党も「大義がない」と対抗馬擁立を見送った。「独り相撲」により吉村の求心力は低下した。
高市自身も課題は多い。自民副総裁の麻生太郎や鈴木ら党幹部に根回しもしないまま推し進めた衆院解散に対し、党内には独断への不満は残る。「悲願」とまで主張した消費減税を実現するには財政規律を重んじる麻生や鈴木も始め、党内の合意が不可欠だ。財源など具体論を協議する超党派の「国民会議」の設置に向け、野党の協力をどう得るのか。手腕が問われる。
外交分野ではトランプ米政権との関係が最重要課題だ。高市は昨年末、防衛費を積み増し、国内総生産(GDP)比2%を前倒しで実現したが、米国防総省は23日、「国家防衛戦略」を発表し、同盟国に対し5%への引き上げを提唱した。米側の圧力はさらに強まる可能性がある。
「ドンロー主義」を掲げ、ベネズエラ大統領の拘束やグリーンランド領有権問題など、「西半球回帰」を進める米政権とどう向き合うのか。緊迫する日中関係の中で3月に開かれる日米首脳会談は正念場となる。
政界の地殻変動の先行きが見通せない中、2月8日の審判を受けて誕生した新たなリーダーは、国内外の数々の重要課題を背負うこととなる。(敬称略)
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