仕事がうまくいかないときに、前向きな気持ちを持つにはどうすればいいか。「打率」で考えることで、気持ちをスムーズに切り替えられ、次の仕事につながるという。『すぐやる人の小さな習慣』(三笠書房)より紹介しよう――。

※本稿は、大平信孝、大平朝子『すぐやる人の小さな習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/EyeEm Mobile GmbH

■商談終了時の「最高の笑顔」をイメージ

お客さんが会議室や商談ルームに入ってくる前のちょっとした「待ち時間」、どんなふうにすごしていますか?

ただでさえ、慣れない「アウェイ」な空間にいる上、「これから商談に臨む」というプレッシャーもあります。

「何だかうまくいかなそうだな」「今回は成約できなそうだな」と弱気になると、イヤな感じを引きずったまま、商談を始めることになってしまいます。

そんなときは、商談がうまくいったときの最高の状態をイメージする「小さな習慣」を実践してみてください。比較的イメージしやすいのは、商談終了時の、あなたと相手の「最高の笑顔」です。

人間はやることがないと、考えすぎてしまうことがあります。考えすぎるとマイナス思考になりやすく、弱気になってしまいます。

弱気になると、不安が増幅したり、姿勢が悪くなったり、目線が下がったりして、商談に悪影響を及ぼします。

そこで、あらかじめ「ちょっとした待ち時間」にすることを決めておくと、考えすぎを防ぐことができます。

さらに、あなたと相手の「最高の笑顔」をイメージすると、仮に商談中に、厳しい意見や条件を提示されたとしても、相手の反応に一喜一憂することなく、落ち着いて対応できます。

また、残念ながら今回は商談がまとまらなかったとしても、相手もあなたも「最高の笑顔」で商談を終えられたら、必ず次につながっていきます。

「営業がつらい」「窓口対応がしんどい」と感じるときは、ぜひこの小さな習慣を実践してみてください。

■「この不調は一時的なこと」と思う

人は、うまくいかないときに「この不調が永遠に続く」と思い込み、うまくいったときは「この幸せは一時的なことに違いない」と思い込んでしまいがちです。

でも本来は、真逆の発想をしたほうが、物事はうまくいきます。

たとえば、商談がうまくいかなかったり、企画が通らなかったときに、「この不調が永遠に続く」と思うのと、「この不調は一時的なこと」と思うのとでは、どちらが次の仕事につながりそうでしょうか?

当然、後者です。

私たちは、「結果」はコントロールできませんが、「行動」はコントロールできます。つまり、相手がイエスと言うかノーと言うかはコントロールできません。ですが、相手の言動に対して、それをどうとらえ、どういう行動を取るかは、自分で選べます。

そうはいっても、やはり契約が取れなかったら、落ち込んでしまうこともあると思います。そんなときは、「打率」で考えてみてください。

プロ野球の打者の平均打率はどれくらいだと思いますか?

2割5分が平均打率で、3割を超えたら打者としては一流といわれています。

もしかしたら、あなたは万年ホームランバッターや打率8割超えバッターを目指していませんか? 

仕事でも、5回に1回ヒットを打てれば、あとは空振り三振でも、見逃し三振でも、ボテボテのゴロでもありだと考えてみるのです。

■提案し続けている限り、契約が取れたり企画が通る

契約が取れなかったときは、「いまは、タイミングじゃなかった」と、心の中で自分に言うことを小さな習慣にしましょう。「打率」で考えることで、気持ちをスムーズに切り替えられます。

これは外部に対しての営業だけでなく、社内への企画提案などでも同じです。私のお客さんのCさんは、企画通過率を2割通れば十分、1割でもOKという感覚を持つようになってから、落ち込んでもすぐに切り替えられるようになったそうです。

また、同じくお客さんのDさんは、打率をイメージするようになってから、「成約」という結果に一喜一憂して振り回されることが減って、「いまやるべきこと」に集中しやすくなったと話してくれました。

どんなに頑張っても結果が出ないことはありますし、手を抜いてもあっさりうまくいくこともあります。「打率」で考えることで、気持ちを切り替えて、次の打席に集中しましょう。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/peepo

野球では、バッターボックスに立たない限りヒットは打てません。仕事も同じです。断られても、提案し続けている限り、契約が取れたり企画が通ったりと、成約する確率は上がっていきます。

■会議の時間を「まとまった時間」ととらえる

会議の効率化は、永遠の課題の一つ。

実際、時間のムダとしか思えないような会議や打ち合わせがスケジュールにあるだけで、やる気を失うことがあります。

「不要な会議は開催しない・参加しない」というのが理想ですが、全部切り捨てるのは難しいのが現実です。さらに、長時間の会議となると、終わったときにはぐったり疲れて、休憩しないと仕事が再開できないこともあります。

こんなときは、会議の時間を「拘束時間」ではなく、「まとまった時間」ととらえてみましょう。すると、「時間を有効活用するには、どうしたらいい?」という思考に切り替えることができます。コーチングでは、これを「リフレーミング」といいます。

一番簡単に実践できるのは、「会議が終わったら、やりたいことを考える」という小さな習慣。応用編としては、仕事のやり残しや失念事項がないかをチェックするための時間にします。

たとえば、会議参加者の顔を一人ひとり見つめながら、「あ! Aさんにお願いされていた書類、まだ渡してなかった」とか、「念のためあの案件はBさんにも共有しておいたほうがいいな」などの確認をすることもできます。

あなたにとって重要度の低い会議は、何もしなければ、ただ捨ててしまう時間かもしれません。それを、「いかにして有意義な時間にするか」というゲームに見立ててみると、アイデアが出てきます。さらに、会議時間を有効に使えると、それだけで、何だか得した気持ちになれます。

■普段時間が取れないことをゆっくり考える

大平信孝、大平朝子『すぐやる人の小さな習慣』(三笠書房)

私は会社員時代、会議の時間を使って、仕事の時間を短縮するアイデアを考えていた時期がありました。

私のお客さんのなかには、長時間の会議は、普段時間が取れないことをゆっくり考える時間にしているという方もいます。

自分の仕事上の課題は何か、それに対してどんな対策を取れるか、チームとして機能しているか、などを考える時間にしているそうです。

私たちは、会議にイヤイヤ参加して自分を消耗させることもできるし、会議終了と同時に「よし、仕事再開!」とスイッチオンの状態にすることもできます。リフレーミングすることで、どちらにするか、いつでも自分で選ぶことができるのです。

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大平 信孝(おおひら・のぶたか)
メンタルコーチ
アンカリング・イノベーション代表。目標実現の専門家。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。個人向けには「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。近著に『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ  科学的に先延ばしをなくす技術』『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(ともにかんき出版)、『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)。公式サイト。
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大平 朝子(おおひら・あさこ)
問題解決の専門家
国家公務員試験を主席合格。裁判所書記官として年間2000件の記録を扱う中で、問題解決のある法則を発見し、独立。教育団体、女性団体、外国人リーダー向けに、研修を実施。無職の夫をベストセラー作家にした手法が注目され、女性経営者など3000人以上の問題解決に携わる。現在は、2人の息子の育児に加え、夫・プロコーチ大平信孝主催のコーチングスクールNEXTのマネジメント、コラム執筆も行なっている。
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(メンタルコーチ 大平 信孝、問題解決の専門家 大平 朝子)