地上波のゴールデンタイムから消えたが…有料放送で視聴率日本一を獲得し続ける「懐かしいコンテンツ」とは?
2011年、『水戸黄門』のレギュラー終了と共に、民放の地上波からゴールデンタイムの時代劇枠は姿を消した。若者向けのバラエティー番組が全盛となり、時代劇は完全に「オワコン(終わったコンテンツ)」になった――誰もがそう思っていた。しかし、その10年後、時代劇はCS放送「時代劇専門チャンネル」という舞台で、視聴可能世帯数約683万(2025年8月末時点)、月間視聴率日本一という驚異的な復活を遂げていた。なぜ、下火となったはずの時代劇が、これほどの熱狂を生んでいるのか。その仕掛け人である日本映画放送株式会社社長・宮川朋之氏に、逆転劇の裏側にある戦略を聞いた。(イトモス研究所所長 小倉健一)
地上波が手放した「宝の山」
ファンの熱量は、ニッチな場所に眠っていた
――2011年に『水戸黄門』がレギュラー終了し、民放地上波から時代劇が消えたとき、業界ではどのような空気が流れていたのでしょうか。やはり「時代劇はもう終わった」という感じだったのでしょうか。
宮川朋之(以下、宮川):ええ、まさにそうでした。制作に費用がかかる分、若年層の視聴率が取れない。スポンサーもつかない。地上波テレビのビジネスモデルの中では、時代劇は完全にお荷物のようになってしまった。それが当時の現実です。実は、あまり知られていませんが、私たちが「時代劇専門チャンネル」を開局した1998年の時点で、すでに時代劇はオワコンだと言われ始めていました。
しかし、私たちは少し違う見方をしていました。地上波による放送が減っただけで、時代劇を愛するファンがいなくなったわけではない、と。むしろ、見るべき場所を失った熱心なファン、いわば“時代劇難民”が大量に存在しているはずだと考えていました。
民放地上波で時代劇をあまり見なくなった翌年の2012年に、私たちは「日の当たらない名作」と題して、過去に劇場公開されたきり鑑賞機会の少なかった映画を発掘して放送する企画をやっていました。
