今夏の移籍市場でFC東京に加入した長倉幹樹【写真:(C) FC TOKYO】

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後半戦のキーマン長倉幹樹「1つでも上を目指して」

 今夏の移籍市場浦和レッズから期限付き移籍でFC東京に加入したFW長倉幹樹。

 加入してから即チームにフィットし、6月の「J1月間ベストゴール」を受賞するなど活躍を見せる。降格圏脱出から、上位進出のキーマンとなる青赤の新エースに終盤戦へかける思いを聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部 上原拓真/全2回の第1回目)

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 2022年、順天堂大学から関東1部リーグの東京ユナイテッドFCに進み、キャリアをスタートさせた長倉。前期に出場した9試合で8ゴールの活躍を見せ、同年8月にザスパクサツ群馬(現・ザスパ群馬)へステップアップ移籍を果たすと、23年7月にアルビレックス新潟へ移籍。アマチュアからJ1の舞台へ一気に駆け上がった。

 昨季まで所属した新潟で得点源として活躍し、ルヴァンカップでは6ゴールを決めてチームを決勝まで導いた。新潟でポジションを確立していたが、今季開幕前に小さい頃の夢を叶えるべく、高校時代まで所属した地元・浦和レッズへの復帰を決断する。

「小さい頃からやりたいなと思ってたチームだったので、そういう思いで移籍しました。チャンスがなかったなかでも、結果を残さないといけないのがプロだと思うので、そういう準備をしてやってました」

 しかし、始まってみると13試合でわずか133分の出場にとどまり、不完全燃焼の日々が続いた。浦和での日々を過ごすなかで「出場機会を求めて環境を変える」という気持ちが芽生え、FC東京への移籍を決断。決め手になったのは、新潟時代から関係性が続いていた松橋力蔵監督の影響が大きかった。

「出場機会を求めて環境を変えた方がいいと思ったので。そのなかでも、リキさんが監督っていうのは、選択の中で1つの要因だったのかなと思います」

 FC東京は長倉が加入する6月7日までで、リーグ戦19試合19ゴールと得点力不足が顕著に表れ、降格圏の18位に低迷。長倉にはチームが苦境を抜け出すため、勝利に直結するゴールを決めることが求められた。

 そして、6月18日の天皇杯2回戦のツエーゲン金沢戦でスタメン出場を果たすと、後半40分に初ゴールを決めて即結果を出す。出場時間を重ねた長倉は、水を得た魚のように、加入後4試合で3ゴールを決める圧巻のパフォーマンスを見せた。その3ゴールが全て後半40分に決まったことも話題になるなど、ファン・サポーターの心を鷲掴みにした。

 長倉自身も「結果が出たってことは本当に自分の中でも大きいので、いい入りというか、いいスタートは切れたかなと思ってます」と東京に来てからの活躍に手応えを感じている。リーグ戦だけで見ると、4試合(237分)で2ゴール。すでに浦和での出場時間とゴール数を上回った。

 そのなかで、8月10日にはリーグ戦25節で現在2位につける鹿島アントラーズと対戦する。長倉は「ゴールが取れてるっていうのと、勝ちが続いてるっていうのはほんと大きい」と好調の要因について考え、「(順位は)ここまでいけるなっていうのはちょっとよく分かんないですけど。もう1つでも上、上の順位を目指してやっていきたい」と語気を強めた。

 今季の前半戦は長倉自身も、FC東京もチームとして苦しい時期が続いていたからこそ、後半戦に懸ける思いは強い。「自分は駆け引きが特徴だと思うので、そういうプレーを見てほしいと思ってます」。”青赤の新エース”が自らのゴールでチームの順位をより上に押し上げていく。(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)