ハンドル操作はどちらが正しい? 

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ハンドル操作は上に押し上げて操作する方法と、引き下げて操作する方法の2種類に大別されます。どちらも同じく操作はできるものの、それぞれにメリットとデメリットがあります。

押して操作する場合は、力を入れづらいため瞬間的に大きな操舵が必要なシーンには向きません。一方、引いての操作は、比較的小さな力で素早くハンドルを回せますが、ハンドルを握り込む必要があります。

どちらの操作が良いかはシーンによって異なり、プロドライバーであっても意見は分かれます。ただし、よく聞かれるステアリングインフォメーションを意識した運転に徹するなら、押して操作するのがもっとも適しています。またハンドルを押して操作することには、様々なメリットがあります。

ステアリングインフォメーションとは

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ステアリングインフォメーションとは、ハンドルを通して伝わるフロントタイヤの状態を表す情報です。

ステアリングホイールとステアリング機構が物理的に接合されている車であれば、操舵するために作用を加えると必ずフロントタイヤからの反作用が発生しハンドル操作の重さという形で返されます。このハンドルの重さがステアリングインフォメーションです。

フロントタイヤが浮いたり極端に滑りやすいアイスバーンを走行する際などは、ハンドルの重さが失われます。これがステアリングインフォメーションが希薄になった状態です。つまり、ステアリングインフォメーションとは、タイヤのグリップ状況を伝えるものと言い換えられます。

ただし、このハンドルに返される反力の強さは車によってまったく異なります。もっとも大きく影響するのはパワステことパワーステアリングの種類です。小さな力でハンドル操作ができるよう調整されたパワステほど機構によるアシストが多いため、ステアリングインフォメーションも希薄になる傾向にあります。

■感じ取るには力を抜いたハンドル操作が肝心

また、感じ取れるステアリングインフォメーションは、タイヤのサイズや銘柄、サスペンションや前輪にかかる重量、操舵機構自体の強度や取付剛性に加えて、もちろん路面の状態も大きく影響します。さらに言えば、エンジンや走行振動によっても反力の伝わり方や感じ方に変化が生じます。

走行中は車の各部の状態が常に変化しているため、ステアリングが伝える反力もそれに応じて微妙に変化しており、この微細な変化を感じ取るためには鋭敏な手の感覚が重要です。腕に力が入った状態でハンドルを操作しては変化が感じ取りづらくなるため、ステアリングインフォメーションを感じ取りにくい車ほど、ハンドルは押して操作する必要があります。

雪道運転にも効果あり! 押して操作するとこんなメリットが

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運転中、刻々と変化するステアリングインフォメーションに注意していればフロントタイヤの状態がわかるようになります。ハンドルが軽くなった状態とは、つまフロントタイヤのグリップ力が低下しているという意味です。これはモータースポーツだけでなく一般道での安全運転にも重要です。

■坂道での安全運転

急加速した際や上り坂ではフロントタイヤにかかる荷重が減るため、ハンドルが軽い状態でアクセルを強く踏み込めば低速でもアンダーステアが発生し、車が曲がらない状態に陥ります。

反対に減速時や下り坂では、フロントタイヤの荷重が増えることでハンドルが重くなるため操作大きな力が必要になります。にもかかわらず下り坂の減速時にハンドルが軽くなる事態は、タイヤグリップの限界が近づいていることを意味し、それ以上ブレーキも操舵も効かなくなる恐れがあることがわかります。

■雪道やアイスバーンでの安全運転

ステアリングインフォメーションの変化がもっともわかりやすいのは雪道やアイスバーンの走行です。滑りやすい路面でハンドルの座りが悪くでフラフラと安定しないのはフロントタイヤがしっかりとグリップしていない証です。

その少ない反力のなかでもハンドルの重さの変化を感じ取れれば、路面の雪質の違いによるグリップ力の違いがわかるようになり、適切なアクセル量やブレーキ量が判断しやすくなります。

■ハイドロプレーニングの察知にも有効

同じようにフロントタイヤがハイドロプレーニング現象を起こす直前にも、水膜によってタイヤが路面から浮き上がるためハンドルの反力が失われます。

運転の高速走行中にハンドルが軽くなりはじめたら、わずかなアクセルオフでゆるやかに速度を落としましょう。以上のように、ステアリングインフォメーションを感じながらの運転は早期の危険察知にも役立ちます。

押す操作には正しいシートポジションも重要

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ハンドルを押して操作するためには正しいシートポジションを取る必要があります。ハンドルを操作する度に上体が押し戻されて動いてしまっては反力を感じ取るどころか、ハンドル操作自体がままなりません。そのため、一般的に推奨されているやや窮屈なシートポジションが押してハンドル操作するのに適しています。

ただし、微弱なハンドルの反力の変化を感じ取るには訓練が必要です。そのため、常に正しいシートポジションで運転し、常にステアリングの反力を意識して感じ取るように努め、意識せずとも反力を感じ取れるように身体を慣らすための時間が必要になります。

しづらくなった「車との対話」愛車の声を聞いてあげて

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優れたスポーツカーの基準のひとつとして「車との対話」できる設計が挙げられます。このステアリングインフォメーションを感じ取りながらの運転も、車との対話方法のひとつです。

もちろんスポーツカーだけでなく、どんな車でもステアリングインフォメーションは感じ取れます。電子制御パワーステアリングで軽くハンドル操作できるコンパクトカーはもちろん、軽自動車であっても車との対話は可能です。ただ反力の変化が非常に小さいためドライバーが気付きづらくなってきているだけです。

操舵した際の感じ取れる反応は、車種や車の状態によって大きく異なります。ハンドルの反力に意識を向けるだけで、人によっては車がただの機械ではなく、まるで生き物のように感じられることでしょう。

もちろん、こんな事をせずとも車の運転はできます。しかし、いままでステアリングインフォメーションを意識したことがなかった人は、そうした操作をすることで車との関わり方や楽しみ方に変化をもたらすことができるかもしれません。