ポケトークが「同時通訳」に進化! 新型コロナで変化した世界的なニーズとは?
ポケトークは10月12日、都内で「ポケトーク事業戦略・新製品発表会」を開催し、今冬発売予定の新製品「ポケトーク同時通訳」を発表した。
「ポケトーク同時通訳」は、既存のパソコン向けソフト「ポケトーク字幕」をアップデートした製品で、字幕および音声の両方でリアルタイム翻訳を提供する。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行以降、
国内ではテレワークが急拡大し、リモート会議やライブ配信の需要が高まった。
こうした背景から、ポケトークでは今年からパソコン向けのソフトウェア「ポケトーク字幕」の提供も開始した。
ポケトーク字幕により、リモート会議などで字幕(文字)によるリアルタイム翻訳のサービスを実現したのだ。
これまでポケトークは、
2017年に専用機(ハードウェア)として初代「POCKETALK」の発売以降、ハードウェアの進化だけでなく、パソコン向けソフト、AndroidやiOSに対応したスマートフォン向けアプリケーションなども展開してきた。
特に東京2020オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド需要によって爆発的な勢いで知名度とシェアを獲得した。
ところが、新型コロナの流行によって、インバウンド需要が一気に後退する。
もはや国内での翻訳機需要が見込めないのでは?
このような状況まで落ち込んだそうだ。
その中でもポケトークは着実に進化を重ね、今年2月にはソースネクストの完全子会社として「ポケトーク株式会社」を設立している。
ポケトークはどのようにして新型コロナを乗り越え、今後どこに向かっていくのだろうか。
■ポケトークのニーズの変化
ソースネクストの代表取締役会長 兼 CEOであり、ポケトークの代表取締役社長 兼 CEOでもある松田憲幸(まつだのりゆき)氏は、発表会のプレゼンで「言葉の壁」をなくすための重要なミッションについて解説した。
発表会で登壇したポケトーク代表取締役社長 兼 CEOの松田憲幸氏
当初、専用機として展開していたポケトークは、
インバウンドやアウトバウンド需要にとどまらず、語学学習としての需要も多かった、そのため、学生や渡航者向けに語学学習機能を搭載し、訴求を図っていた。
また、元々は対面での利用が前提の翻訳機だったが、コロナ禍になりリモートでのコミュニケーションや家の中で過ごす時間が増加したことで、パソコンやスマートフォン向けのソフトウェアとしての展開も進めた。
初代ポケトークが発売されてからわずか5年で世界の情勢は大きく変わったが、ポケトークも変わりゆくニーズに合わせながら進化を続けている。
■インバウンドだけではない大きなニーズの開拓
海外からの入国者規制緩和の拡大が進み、かつてのようにインバウンドやアウトバウンド需要は戻るとの予想もあるが、現時点ではまだ先の話だ。
そんな中、今回ポケトークが、言葉の壁を取り外していくミッションとして掲げたのが、
・労働現場
・グローバル展開
・人道支援
これら、企業向けソリューション色が強まったような内容だ。
ポケトークが今後の取り組むべきミッション
実はコロナ禍においても、アメリカでの売り上げは大きく伸びているのだという。
日本国内にいるとわかり辛いが、アメリカは移民の国でもあるため、様々な言語が母国語であり、英語を話せない人も多い。
また、製造業における労働力の確保も課題だという。事情は少々異なるが日本も人口減による労働力確保が困難になってきており、今後の大きな社会的課題だ。
そうした背景もあり、ポケトークでは「日本のビジネスシーンにおける言語に関する意識調査」を実施。
その結果、外国人労働者が増やせない理由に「言葉の壁」が大きく立ちはだかっていることがわかってきた。
外国人労働者の採用を増やせない理由は「コミュニケーションがスムーズにいかない気がする」が75%と高い割合に
職場環境における「言葉の壁」を感じている人はかなり多い
労働力不足でありながら、外国人を積極的に採用することができない現状が浮き彫りとなった。
また、国土の広いアメリカや中国などは、国の中でも言語が異なる場合もあり、ヨーロッパは隣り合った多くの国との往来も多い。日本とは違った事情だが、やはり言葉の壁を感じる環境でもあるため、労働環境と合わせグローバルな展開もポケトークとしての取り組むべきミッションとなる。
そして、ロシアによるウクライナ侵攻の影響も計り知れない。
ウクライナの人々は安全な国や地域に避難をし、ヨーロッパ諸国ではウクライナの人々を受け入れている。ポケトークでは以前から、そうした地域や国に対してポケトークを寄贈するなどの支援をしている。
■ポケトークが着実に進化できる需要と必要性
国内においては、
・インバウンド需要の拡大見込みへの対応
・観光業界などへの支援
・労働力確保のための職場環境の改善
これらをはじめとした、多種多様なニーズがある。
海外もまた、
・移民や国間移動による需要
・労働力確保
・戦争や災害による支援
これらの需要が見込まれる。
アメリカでは日本より一足先に復活の兆しが見られる
ロシアのウクライナ侵攻による世界情勢の変化や、円安など様々な要因でモノや労働力が不足している。
ポケトークはコンシューマー(消費者)向け製品やサービスではあるが、現在の世の中の情勢においては、冒頭で指摘したように企業向けソリューションとしてのニーズも高まってきているのは間違いない。
今後のポケトークは、
世界規模では、これまでとは異なる様々なニーズが見込まれている。
既に社会にとって必要な製品やサービスとなりつつあり、多様に変化する世界状勢から生まれるニーズに応えていくことが、最大のミッションとなるだろう。
S-MAX:ポケトーク 事業戦略・新製品発表会 パソコンソフト「ポケトーク同時通訳」(2022年10月12日)【プレゼン】
S-MAX:ポケトーク 事業戦略・新製品発表会 パソコンソフト「ポケトーク同時通訳」(2022年10月12日)【質疑応答】
S-MAX:「ポケトーク同時通訳」の特徴や気になる点を担当者に聞いてみた!(2022年10月12日)【ポケトーク新製品発表会】
関連リンク
・”まるで専属の、同時通訳” 新製品「ポケトーク同時通訳」(特許出願中)を発表 今冬に提供開始予定(PDF)
・ポケトーク株式会社
執筆:S-MAX編集部 2106bpm
「ポケトーク同時通訳」は、既存のパソコン向けソフト「ポケトーク字幕」をアップデートした製品で、字幕および音声の両方でリアルタイム翻訳を提供する。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行以降、
国内ではテレワークが急拡大し、リモート会議やライブ配信の需要が高まった。
こうした背景から、ポケトークでは今年からパソコン向けのソフトウェア「ポケトーク字幕」の提供も開始した。
ポケトーク字幕により、リモート会議などで字幕(文字)によるリアルタイム翻訳のサービスを実現したのだ。
これまでポケトークは、
2017年に専用機(ハードウェア)として初代「POCKETALK」の発売以降、ハードウェアの進化だけでなく、パソコン向けソフト、AndroidやiOSに対応したスマートフォン向けアプリケーションなども展開してきた。
特に東京2020オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド需要によって爆発的な勢いで知名度とシェアを獲得した。
ところが、新型コロナの流行によって、インバウンド需要が一気に後退する。
もはや国内での翻訳機需要が見込めないのでは?
このような状況まで落ち込んだそうだ。
その中でもポケトークは着実に進化を重ね、今年2月にはソースネクストの完全子会社として「ポケトーク株式会社」を設立している。
ポケトークはどのようにして新型コロナを乗り越え、今後どこに向かっていくのだろうか。
■ポケトークのニーズの変化
ソースネクストの代表取締役会長 兼 CEOであり、ポケトークの代表取締役社長 兼 CEOでもある松田憲幸(まつだのりゆき)氏は、発表会のプレゼンで「言葉の壁」をなくすための重要なミッションについて解説した。
発表会で登壇したポケトーク代表取締役社長 兼 CEOの松田憲幸氏
当初、専用機として展開していたポケトークは、
インバウンドやアウトバウンド需要にとどまらず、語学学習としての需要も多かった、そのため、学生や渡航者向けに語学学習機能を搭載し、訴求を図っていた。
また、元々は対面での利用が前提の翻訳機だったが、コロナ禍になりリモートでのコミュニケーションや家の中で過ごす時間が増加したことで、パソコンやスマートフォン向けのソフトウェアとしての展開も進めた。
初代ポケトークが発売されてからわずか5年で世界の情勢は大きく変わったが、ポケトークも変わりゆくニーズに合わせながら進化を続けている。
■インバウンドだけではない大きなニーズの開拓
海外からの入国者規制緩和の拡大が進み、かつてのようにインバウンドやアウトバウンド需要は戻るとの予想もあるが、現時点ではまだ先の話だ。
そんな中、今回ポケトークが、言葉の壁を取り外していくミッションとして掲げたのが、
・労働現場
・グローバル展開
・人道支援
これら、企業向けソリューション色が強まったような内容だ。
ポケトークが今後の取り組むべきミッション
実はコロナ禍においても、アメリカでの売り上げは大きく伸びているのだという。
日本国内にいるとわかり辛いが、アメリカは移民の国でもあるため、様々な言語が母国語であり、英語を話せない人も多い。
また、製造業における労働力の確保も課題だという。事情は少々異なるが日本も人口減による労働力確保が困難になってきており、今後の大きな社会的課題だ。
そうした背景もあり、ポケトークでは「日本のビジネスシーンにおける言語に関する意識調査」を実施。
その結果、外国人労働者が増やせない理由に「言葉の壁」が大きく立ちはだかっていることがわかってきた。
外国人労働者の採用を増やせない理由は「コミュニケーションがスムーズにいかない気がする」が75%と高い割合に
職場環境における「言葉の壁」を感じている人はかなり多い
労働力不足でありながら、外国人を積極的に採用することができない現状が浮き彫りとなった。
また、国土の広いアメリカや中国などは、国の中でも言語が異なる場合もあり、ヨーロッパは隣り合った多くの国との往来も多い。日本とは違った事情だが、やはり言葉の壁を感じる環境でもあるため、労働環境と合わせグローバルな展開もポケトークとしての取り組むべきミッションとなる。
そして、ロシアによるウクライナ侵攻の影響も計り知れない。
ウクライナの人々は安全な国や地域に避難をし、ヨーロッパ諸国ではウクライナの人々を受け入れている。ポケトークでは以前から、そうした地域や国に対してポケトークを寄贈するなどの支援をしている。
■ポケトークが着実に進化できる需要と必要性
国内においては、
・インバウンド需要の拡大見込みへの対応
・観光業界などへの支援
・労働力確保のための職場環境の改善
これらをはじめとした、多種多様なニーズがある。
海外もまた、
・移民や国間移動による需要
・労働力確保
・戦争や災害による支援
これらの需要が見込まれる。
アメリカでは日本より一足先に復活の兆しが見られる
ロシアのウクライナ侵攻による世界情勢の変化や、円安など様々な要因でモノや労働力が不足している。
ポケトークはコンシューマー(消費者)向け製品やサービスではあるが、現在の世の中の情勢においては、冒頭で指摘したように企業向けソリューションとしてのニーズも高まってきているのは間違いない。
今後のポケトークは、
世界規模では、これまでとは異なる様々なニーズが見込まれている。
既に社会にとって必要な製品やサービスとなりつつあり、多様に変化する世界状勢から生まれるニーズに応えていくことが、最大のミッションとなるだろう。
S-MAX:ポケトーク 事業戦略・新製品発表会 パソコンソフト「ポケトーク同時通訳」(2022年10月12日)【プレゼン】
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関連リンク
・”まるで専属の、同時通訳” 新製品「ポケトーク同時通訳」(特許出願中)を発表 今冬に提供開始予定(PDF)
・ポケトーク株式会社
執筆:S-MAX編集部 2106bpm