ビルドアップを担った岩尾が、ボールを運んだ、その先の崩しについて課題を指摘した。写真:徳原隆元

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 浦和レッズは9月14日のJ1第26節で、セレッソ大阪とホームで対戦し、0−1で敗れた。公式戦のホームゲームで敗れるのは2月以来だったが、その試合内容に現在のチームが抱える課題がハッキリと見えた。

 浦和は8月、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメントで東地区を勝ち抜き、来年2月に行なわれる決勝へ進出。一方で、その激闘の疲労はチームに蓄積し、さらに今月に入ってからは複数の選手が新型コロナウイルス陽性と発表され、メンバーに制限が生まれている。

 そのなかで迎えたC大阪戦では、相手の4−4−2のブロックに対して、リカルド・ロドリゲス監督が策を講じた。松尾佑介を相手CBとダブルボランチの中間地点に下ろし、中盤ダイヤモンドのトップ下のようにも見える位置に置いた。ほかにも相手守備ブロックの中間地点に人を立たせるよう、ポジションに工夫を凝らしたが、機能性は上がらなかった。
 
 しかし、そうした全体的な戦術的視点もさることながら、コンパクトかつ、強度のある守備陣形を組まれたときに攻略し切れない姿は最近のゲームにもあった。

 8月25日に行なわれたACL準決勝、全北現代モータース(韓国)戦の1−1で推移した時間帯は、このC大阪戦と似た部分があった。ビルドアップの際に中盤で受け手がボールを呼び込むものの、出し手は躊躇して横パスやバックパスを選びがちに。そして、ブロック内の受け手がボールを引き出しても、次の展開が生まれず、リターンパスに逃げざるを得なかった。

 今回のC大阪戦でも起こった状況について、最終ラインを出入りしながらの組み立てを担う岩尾憲は、全北現代戦との共通点を首肯しながらチームの現状を語った。

「縦パスを出せないことはないけど、パスの費用対効果だとリスクのほうが高いパスになる。受け手が誰とつながって準備しているのかは重要。相手のプレスを想定すれば、そんなに長く時間をもらえないのは分かっているので、パスを出した先で時間がないけど大丈夫なのか、となる。

 3人目が使えるようなオーガナイズになっていれば怖がらずに出せるけど、そうは見えなかった。狭いところで受けようと思えば、3人目、4人目をボールの受け手が確認しておくとか、相手の1つ2つ先をいくのが必要になる。それは自分たちの課題かなと思う」
 
 浦和はビルドアップの形こそ、かなり柔軟かつ自在に相手を見ながら組み立てることができるようになっている。しかし、その先で相手の中盤と最終ラインがコンパクトかつ強度を持って構えていると、そこを崩していくだけの「オートマチズム」は確立されていない。

 岩尾が話すように、まだブロック内でボールを受ける選手から3人目、4人目と自然につながっていく連動がない。そのため、受けてから次の展開に移るための時間とスペースを圧縮され、まだまだそこを割っていくだけのクオリティを発揮できない面が垣間見える。

 また、C大阪戦はビハインドを負った試合展開で、最後の時間帯はアバウトなクロスが増えてしまった。それはロドリゲス監督も自分たちの長所ではないと認めている。岩尾もまた、「よりボックス内を地上戦で取りたい。ゴールエリア脇までえぐっていくとか、そこに向かう背後へのランニングやワンツーというアクションがないと難しい」と、強引になってしまった最後の攻勢は効果的ではなかったと話した。
 
 もっとも、この日のC大阪のように、忠実にハードワークする相手を崩すのは、どんなチームでも簡単ではない。浦和にとって課題であり、同時に伸びしろであるとも言えるだろう。

 今月はC大阪とルヴァンカップの準決勝で2戦合計方式での対戦も控える。一朝一夕に身につく要素ではなさそうだが、同じ相手に進化を見せられるのかどうかが問われそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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