新車が買えないなら、日本の中古車を買えばいいじゃない

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広大な国土を持つロシアで車は必需品です。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、世界各国はロシアに対して経済制裁を課し、多くの自動車メーカーも新車輸入停止や現地工場の稼働停止、事業撤退などの発表を行いました。

ロシア国内の自動車メーカーも部品が輸入できない状況となっているため、新車の生産が満足に行えず、そのため現在ロシアで新車はほとんど手に入りません。

その解決策として目をつけたのが日本の中古車です。日本政府はロシアへの輸出を禁止していますが、おおよそ600万円未満の車は対象外であるため、ロシアには日本から中古車がどんどん流れていっています。 

現在ロシアでは空前の日本車ブーム

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日本車はロシアで古くから高い人気がありましたが、現在はそれをも上回る空前の日本車ブームです。

2022年6月にはひと月だけで日本からの輸入台数は1万台を遥かに上回り、おおよその売上高は、日本円で約190億円にもおよぶ規模におよぶそうです。

さらに、日本車の信頼性の高さはロシアでも折り紙つき。古い日本車であってもロシアの老朽化した車より高性能で長寿命。なにより、寒くてもしっかりと動いてくれる点がロシア人が日本車を好む理由です。

「もう置き場なし!」ロシアにあふれる日本車

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日本車人気のおかげで別の問題も発生しています。ひと月に1万台以上の車が継続的に日本から輸入されてくるため、現在ロシアでは車の置き場の確保が難しい状況に陥っています。

日本からの中古車のほとんどはロシア極東の都市ウラジオストクに運ばれ、都市郊外で中古車オークションが開催されます。

しかし大量に輸入される日本車の保管スペースが足りず、ありとあらゆる場所に販売待ちの日本車が置かれるため、現在ウラジオストクの街は日本車だらけになっているそうです。

ロシア人の日本車に対する信頼

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ソビエト崩壊を経験したロシア人は、自国の政府や通貨への信用が薄い傾向にあるそうです。そのため、危機に際して現金を物品に変える傾向が強く、信頼性が高い日本車はロシア人にとって資産の一部と捉えられています。

移動手段としてはもちろん、先行き不透明な情勢と円安も手伝って、資産形成のひとつとしても安くて高性能な日本車人気に拍車をかけているのかもしれません。

ロシアによる日本の中古車爆買いは、ロシアに住む一般市民の不安を現すかのようでもあります。