いつか役立つかも…滑る泥沼にハマった際、なんでプロはまず「タイヤの空気を抜く」?
SUVや本格4WDでオフロードを走ることは非日常的なアクティビティであり、その魅力を知ってしまうと病みつきになります。
オフロードの入門ステージと言えば、やはり林道。本来は林業用に整備された道路ですが、その大半はまだ未舗装という状態の路線が多いのが実情です。未舗装ゆえに、林道では昨今、様々な問題が起きています。
プロでもナーバスになる”ドロドロ林道”
未舗装の林道は、道路へのダメージが蓄積されています。近年多くなっている超大型台風の被害を被ることが多くなり、酷い場合は土砂崩れなどで通行止めになることも。ダメージが軽くても、路面が雨水で削られて深い溝ができてしまっています。
そもそもこうした被害は土壌が脆弱なために起こるのものですから、このような場所を雨天時や雨上がりに走ると路面が泥々になっていることが多いです。
筆者も仕事で林道を走ることが多いのですが、泥の路面はスタックになることが多いため、非常に緊張するステージのひとつです。
比較的フラットなダートの一部が泥になっている場合は問題ないのですが、路面に深い轍ができており、しかもタイヤで堅く踏み固められた道の場合は最悪です。
■轍が深く、踏み固められた道ではレスキューが必要な場合も
オフロード用タイヤの場合、多少の高さの轍を乗り越える「耐ワンダリング」という性能が持たされています。しかし、タイヤのハイト(サイド面の高さ)を越えてしまった場合は、オフロードタイヤでもおいそれとは轍から脱出できません。
しかも、轍が深いとハンドルを切ることができませんし、轍の一部がホーシング(車軸)に接触している場合はスタックとなって、どうにもこうにもならない時があります。
こうした場合は、まず亀の子状態から脱し、あとはタイヤの横を轍の壁に接触させるようにしながら、ゆるゆると前に進むしかありません。場合によっては牽引ロープをかけて、他のクルマでレスキューしなければ脱出できないことも多々あります。
■タイヤが落ちてしまっている場合は……?
最悪なのは、轍ではなく路肩がツルツルの堅い泥の場合。こういうシーンは農道などに多く見られます。片輪を落としてしまおうものなら、もう簡単に登ることはできません。水田や畑の横の林道で、何回かこういう憂き目に遭ったことがあります。
こういう場合は抗ってもどうにもならないので、とりあえず前に進める状態であれば、ハンドルを気持ち下側に切りつつ前進して、登れる位置まで走るしかありません。
もっと最悪なのは、脱輪した方に深い谷がある場合。こういう場合はヘタに動くとクルマが谷に落ちてしまうので、まず牽引ロープなどを使って車体がそれ以上落ちないように措置を取ることが優先されます。
次にタイヤの空気を少し抜き、空気圧を落として設置面を増やします。滑る泥の路面では、この対処方法はかなり有効的です。
ヌタ場では「もみ出し」を試そう!
林道では、一部がセメントを練ったような「ヌタ場」になっていることが時折あります。泥の粘度が高いほど、クルマは進みにくく、簡単にスタックしてしまいます。そうそう遭遇するシーンではありませんが、これまで何度かヌタ場でスタックを経験しました。
こうしたシーンでは、まず「もみ出し」というテクニックを試してみましょう。前後にクルマを動かすことで、スタックから脱出できることがあるからです。こちらは砂脱出編で詳しく解説しています。
しかし、タイヤのハイトを越えるような深さの泥では、簡単にはいきません。タイヤの空気圧を落とすことも試してみましょう。それでも脱出できない場合は、他車でレスキューしてもらうしかありません。
最近のSUVは電子デバイスが発達しているため、トラクションコントロールセレクターを「MUDモード」にすると、意外なほど簡単に脱出できたりします。
とはいえ、泥が危険なステージであることは変わりありません。もし泥に遭遇したら、無理に突破しようとせず、まずクルマから降りて泥の状況を確認することです。
厳しい状況であれば、そこで引き返すのがもっともベストなセルフレスキューと言えます。
