ANAが保安検査場にフラッパー付き自動ゲートを導入 既存システム活用で低コスト開発:旅人目線のデジタルレポ 中山智
旅人ITライター中山です。全日本空輸(以下ANA)が、羽田空港第2ターミナルの保安検査場入り口に「フラッパー付き自動ゲート」を導入し、メディア向けに説明会が行われたので取材をしてきました。

今回導入された「フラッパー付き自動ゲート」は、羽田空港第2ターミナルの保安検査場A・Bの入り口に新たに設置されました。第2ターミナルには保安検査場C・Dもありますが、こちらへの導入は未定となっています。

これまでも保安検査場入り口には、バーコード/ICカードリーダーが設置されており、搭乗券のQRコードやICカード、スマートフォンをかざすと、黄色い保安県査証が発行され、それを機械のそばにいる係員がチェックするというシステムでした。そのためリーダー1台ごとに係員が必要でしたが、今回「フラッパー付き自動ゲート」を導入することで、トラブル時の対応のみとなるため係員を減らすことができ、対面での接客を減らすことで、感染拡大防止にもつながります。

興味深いのは、バーコード/ICカードリーダー自体は、既存のシステムを利用していること。ANAに乗る機会が多い人なら写真を見てもらうとわかると思いますが、これまでと同じバーコード/ICカードリーダーが使われています。



それでは「フラッパー付き自動ゲート」とバーコード/ICカードリーダーとの連携はどうなっているかというと、リーダーにセンサーとしてカメラが装着され、そのカメラの情報をトリガーとして自動ゲートのフラッパーが動作するようになっています。

カメラが検知する情報は2つ。ひとつはバーコード/ICカードリーダーのディスプレー上部にあるランプの色で、乗客がリーダーに搭乗券などをかざすと、ランプが「緑(通常)」、「黄色(搭乗口変更など)」、「赤(係員の対応が必要)」の3色に光ります。このうち「緑」と「黄色」のときにフラッパーが開き、「赤」の場合は閉じたままとなります。

もうひとつは、バーコード/ICカードリーダーからは黄色い保安検査証が発行されますが、カメラが乗客の手の動きを検知していて、保安検査証を手で取ったかどうかを確認しています。ランプが「緑」や「黄色」の状態でも、保安検査証を取り忘れていると、フラッパーは閉じたままになります。

ちなみに、フラッパー付き自動ゲートはひとりでの通過が前提となっているので、小さい子どもを連れていたり、車いすなど手伝いが必要なケースでは、別途用意されている有人ゲートをあらかじめ案内するようになっています。
ANAの担当によると、カメラ部分はキヤノン、フラッパー付き自動ゲートは日本ハルコンと協同で開発したとのこと。バーコード/ICカードリーダーを含めた新しいシステムを開発するよりも、既存のシステムとカメラによる映像認識をトリガーとしたフラッパー付き自動ゲート組み合わせたほうが、コストをかなり抑えて開発できたそうです。
システム的にANAのバーコード/ICカードリーダーだけで運用できる保安検査場に限定されるものの、対応可能な保安検査場であれば伊丹空港をはじめ各空港にも導入を検討していくとのことです。

システム全体を作り直して高コストになるより、カメラなどのセンサーを利用して低コストでシステムを機能アップさせるというのは、ANAに限らず今後もいろいろなケースでみられそうです。
