木村沙織(写真:Getty Images)
8日、TBS「バース・デイ」では、「木村沙織30歳 涙の引退の真実!! 日本バレー界を支えた13年間の軌跡」として、2016-2017シーズンをもって現役を引退したバレーボール木村沙織さんを特集。3月22日に行われた引退会見後のインタビューを放送した。

17歳でアテネ五輪最終予選に登場した木村さんは、以後4大会連続で五輪に出場するなど、日本女子バレー界を牽引する存在に。「10年に一人の天才」などと呼ばれることもあったが、全日本女子の監督を務め、ロンドン五輪やリオデジャネイロ五輪で木村さんとともに戦った眞鍋政義氏は「天才じゃないと思います。それ以上に努力ですね。それは何回も感じました。サーブレシーブをクリアするまで練習を終わらないとか。目に見えない努力も数多くしてきました。負けず嫌い」と語っている。

木村さんもまた「それを表に出してたか出してなかったかは別として、絶対負けたくないっていう気持ちでずっとやってきた」と振り返ると、「いつ辞めてもいいと思ってずっとやってきた。どのタイミングで終わったとしても悔いはなかったです」などと、その覚悟のほどをうかがわせた。

そんな木村さんが引退を意識するきっかけになったのは、2012年9月のトルコリーグ移籍だったという。ロンドン五輪で、チームの中心として活躍し、28年ぶりの銅メダル獲得に貢献。選手として円熟期に挑戦する格好となったが、世界最高峰のリーグでは、スタメンはおろか試合に出場できないこともあった。

この時を振り返った木村さんは「絶対出たいっていう気持ちになかなかならない時があって、これはアスリートじゃないぞって思ってきて、引退っていうのが頭に浮かび始めた」という。それでも、リオ五輪代表チームのキャプテンとして木村さんを必要とした眞鍋氏が説得し続けると、木村さんはこれを受諾。「挑戦せずに終わるのは、なんかちょっと違うのかなと思った。自分がキャプテンになったら、どんな感じになるのかなっていうのを頭の中で想像し始めるようになって、そこから決断は早かった」と話した。

それでも、リオ五輪ではメダルに届かず。木村さんは、その2ヶ月後、2016年10月に現役引退を表明した。「みんなが私をキャプテンにしてくれた。このチームでもっとバレーしたいと言ってた子もいたので、そうやって言ってるのを聞くのがすごい嬉しくて。足りないところばっかりだったんですけど、すごいよかった」と涙を拭う木村さんだったが、インタビューの最後で番組スタッフから「復活はない?」と訊かれると、「ないです。何でみんなそれ言うんだろう? ないないって言って本当にそんな気持ちになっちゃったら」と彼女らしい屈託のない笑顔を見せた。