ソフトバンク・東浜巨【写真:編集部】

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ここまで2勝のソフトバンク東浜

 王者にまた1人、頼もしき右腕誕生の予感が漂っている。ソフトバンクの東浜巨。12年のドラフト1位でプロ4年目を迎えた期待の25歳に、いよいよ開花の時が見えてきた。

 開幕ローテからは外れ、今季初先発は4月15日の楽天戦(ヤフオクD)。5回を投げて、被安打4の2失点で初勝利をマーク。その後は試合日程の都合で中継ぎ待機となり、同29日の西武戦(ヤフオクD)でリリーフ登板。3回を1失点とまとめると、ゴールデンウィークの6連戦で2度目の先発の機会を得た。

 5月5日の日本ハム戦(札幌D)では、大谷翔平にソロ本塁打を許したものの、7回途中まで1失点。この日は自身プロ最速となる150キロをマークするなど、真っすぐの威力が十分で、2勝目をマークした。

 ここまでの投球内容で首脳陣からの信頼も上昇。ゴールデンウィーク明けからは再び週5試合となったのだが、昨季までローテを担っていた中田賢一を押しのけ(中田が復帰したばかりというのもいくぶんかあったが……)、先発5番手の座をつかんだ。

ここまではルーキーイヤーの3勝が最多

 12日のロッテ戦では今季最長となる8回を投げ、被安打わずかに2。初回にデスパイネに2ランを浴びたが、2回以降は安定感抜群で、7回先頭の清田に中前打を許すまで、無安打投球を続けた。結果的には、9回にロベルト・スアレスが決勝点を許し、チームは敗れたが、その内容は十分に評価されるべきものであった。

 沖縄尚学高では、3年春のセンバツを制覇。5試合で41イニングを投げて、防御率0・66の驚異的な数字をマークし、頂点へと導いた。亜細亜大進学後は、1年春のリーグ戦からマウンドへと上がり、初登板から3戦連続完封を飾るなど、エースとして君臨。通算420奪三振は同リーグの最多記録となっている。

 アマ時代に輝かしい実績を残して、鳴り物入りでプロ入りを果たしたが、プロ入り後は伸び悩みの時を過ごした。ルーキーイヤーの13年に3勝をマークしたが、これがここまでの自己最多勝利。14年は2勝、15年は1勝。ソフトバンク投手陣の分厚い層もあって、ローテの座をつかみ切れない日々が続いていた。

肉体強化でストレートの威力増す

 昨秋の宮崎キャンプ。工藤公康監督から、飯田優也や岩崎翔とともに「強化指定選手」に指名され、連日課された強化メニューをこなした。そのトレーニングは春のキャンプでも続き、肉体強化に励んだ。今季は真っすぐの力強さが明らかに増し、先に記したように、プロ最速の150キロもマーク。その成果が徐々に発揮されてきている。

 威力を増した真っすぐに加え、今季目を引くのが、習得した高速シンカーだ。130キロ台後半の球速ながら、左打者にとって手元で外へと沈んでいく軌道を描く。スライダー、カーブなどに加え、これが投球の軸に加わったことで、幅が広がったことも大きい。

 19日の日本ハム戦(ヤフオク)は6回途中4失点で降板。自己最多に並ぶ3勝目は逃したが、この時も投球内容自体は悪くなかった。「点を取ってもらった直後に失点したのが悔やまれる。こういう試合で長いイニングを投げて勝ちきれないところが、今後の課題」。

 試合後に残したコメントにあるように、課題は、リードをもらった展開でいかに長い回を投げていくか。そこを克服出来れば、さらに白星は増えていくだろう。